遥か地球より
諸君、今日は一個人、キース・アニアンとして話をしたい。
とはいえ、今の私の名前は、全く違う。
年にしても……そうだな、かつてのシロエくらいだろうか。
ステーションなら「入学したて」といった所か。
紹介しよう、友人の「ジョミー・マーキス・シン」だ。
「あっ、駄目だよ! ぼくの今の名前は…」
「悪い! だが、今の名前を言っていいのか?」
「あー…。それは困るかも…」
「なら、これしか仕方なかろうが。というわけで…」
「ジョミーです! みんな、元気にしてる? ぼくも、キースも…」
「この通り、とても元気にしていて、今日もこれから公園で…」
「サッカーなんだよ、でもって、ぼくたちだけじゃなくって…」
「どうも、セキ・レイ・シロエと呼んで下さい!」
「えっと…。ジョナ……、マツカでいいです…」
「俺さ、昔は、サム・ヒューストンな!」
「ぼくも名乗らせてくれたまえ…って、偉そうかな…。ブルーです」
「ブルーに遠慮されたら、ぼくはどうすれば…。トォニィです」
「ドサクサ紛れですみませんけど、これでもハーレイです!」
「どうも、ゼルです!」
「ヒルマンです!」
「あのさ、キース…。サッカーの人数、軽く超えるよ、その内に…」
「分かっている。向こうでスウェナたちも手を振ってるしな…」
「自己紹介とか始めるからだよ、キースがさ!」
「お前が他の連中を紹介したんだろうが!」
「だって、つい…。せっかくみんなで、こうして地球にいるんだし…」
「こうなっても仕方ないかもな…」
というわけで、皆、息災で、地球で暮らしている。
ただし、遥かに遠い未来の時代なのだが、地球という星には違いない。
それぞれ、別の名前や家があっても、こうして会えて、話やサッカーも出来る。
その昔、サムが言っていた通り、「みんな、友達」というわけだ。
何故、今頃、それを言いに来たか、と尋ねるのか?
2024年の日本が、正月早々、大変なことになっているからだ。
元日に地震で、二日の夜には、羽田空港で飛行機が炎上したと聞く。
一年で一番、平和でめでたい時の筈なのに、信じられないような非常事態が立て続けだ。
こういった時は、「タイムラインに落ち着く画像を流す」ものなのだろう?
だが生憎と、そういったものを流したくても、私たちの生きた時代には何も無かったのだ。
代わりに、今の日常を流してみたというわけなのだが、苦笑されたかもしれないな。
どうも私には、今も昔も、こういった役回りは向かないようだ。
では、この辺で失礼しよう。
さっきから、ジョミーがうるさいのでな。
すぐ行くと言っているだろう!
なに、遅れた分、後でおごれだと!?
しかも全員分だって!?
何人いると思っているんだ、破産させたいのか、馬鹿野郎ーっ!
遥か地球より・了
※新年早々、なんだかとんでもない年に。元日の能登の地震だけでも仰天でしたが…。
本日、二日の夕方に羽田空港で日航機の炎上事故とか、恐ろしすぎます。
三が日が無事に済みますように、今年はもう、これ以上、何も起こりませんように…!
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