思い出せたら
(成人検査では、機械が記憶を消すけれど…)
今だって、消され続けているけれど、とシロエが睨み付けた先。
Eー1077で与えられた個室は、マザー・イライザに監視されている。
部屋にいる時は、恐らく、常に。
普段は何も起こらなくても、心を乱せば、彼女の幻影が現れるから。
「どうしました?」と、猫なで声で。
さっきも、そんな風に出て来て、優し気な笑みを湛えていた。
「迷いがあるなら、導きましょう」と、「いつでも、待っていますからね」と。
慈母の言葉のようだけれども、それは警告。
心が乱れたままでいたなら、たちまちコールされるだろう。
(…コールされたら、ぼくの中から、また何か…)
大切な記憶が消えていくんだ、と唇を強く噛み締める。
「ぼくは嫌だ」と、「忘れたくない」と。
(あれが、機械のやり口で…)
このステーションで暮らす候補生たちは、おとなしい羊にされてゆく。
成人検査でも消えずに残った、「機械に都合の悪い記憶」を消去されて。
反抗心を消され、牙を抜かれて、無害な子羊になってゆくけれど…。
(…あんな機械が出来る前から…)
人間の記憶は、消えてしまうことがあったんだよね、と思考を別の方へと向ける。
そうすれば、心が落ち着くから。
憎い機械を忘れてしまえば、心を乱さないで済むから。
(コールなんか、されてたまるもんか)
今回は無事に逃げてみせるさ、とマザー・イライザの幻影も心から切り捨てた。
そうしておいたら、思い出さずにいられて、心が波立つこともなくなる。
一種の現実逃避とはいえ、有効な手段であることは、既に経験済み。
(……心の中では、何を考えるのも自由だしね?)
それにコールもされやしないし、とクスリと笑う。
「ぼくは自由だ」と、「機械なんかに、簡単に支配されやしないよ」と。
そうは思っても、逆らえずに消されてしまった記憶。
成人検査でゴッソリ失くして、その後も、かなり消えたと思う。
なんとも憎い機械だけれども、機械が関与しなくても…。
(……記憶喪失……)
遠い昔から、そういう病があるらしい。
文字通り、記憶を失う病気。
病気と呼んでいいのかどうかは、医者ではないから、分からないけれど。
(大きなショックが引き金になって…)
頭の中から、記憶がストンと抜け落ちるのが、記憶喪失。
何もかも消えてしまうケースも、一部だけというケースもある。
(自分の名前も忘れてしまって、別人になって…)
知り合いにも見付けて貰えないまま、家から遠く離れた所で、長く暮らした例なども。
つまり、機械が関わらなくても…。
(…人間の脳は、何かのショックで…)
記憶を手放してしまう構造になっている。
そして、失くしてしまった記憶は…。
(…消えてしまったままで、戻らないこともあるけれど…)
記憶を失くした時と同じに、突然、戻ったりもする。
もちろん機械は何もしないし、治療の成果というわけでもない。
記憶が戻って来る仕組み自体も、今の時代でも、ハッキリ解明されてはいない。
(…精神的にショックを受けたり、同じような事故に遭ったりして…)
その衝撃で戻ることが多い、と言われてはいても、同じことをしても駄目な場合もある。
人間の脳はデリケートだから、計算通りにはいかないらしい。
機械が記憶を消したり植えたり、そういうことは容易く出来る世の中でも。
成人検査で記憶を消すのが、当たり前になっている時代でも。
(…機械は、まだまだ、人間に敵いやしないってね)
記憶喪失の患者も治せないようじゃ、とクッと喉を鳴らした。
「人間様の方が、ずっと上だよ」と、「機械も、人間が作ったんだから」と。
今も機械が「どうにも出来ない」、記憶喪失。
人間の脳は複雑すぎて、機械といえども、隅々までは把握出来ないから。
(…でもって、記憶を失くした人が…)
記憶を取り戻すことがあるなら、自分にも起こり得るかもしれない。
機械が消してしまった記憶が、記憶喪失の人と同じに…。
(何かのショックで、ある日、いきなり…)
全て戻って来る可能性だって、けしてゼロではないだろう。
機械によって「意図的に」引き起こされたものであっても、今の自分は…。
(昔だったら、記憶喪失みたいなもので…)
子供時代の記憶が欠落していて、両親の顔なども朧げなもの。
その状態で「大きなショック」を受けたら、その衝撃で…。
(思い出すかもしれないよね?)
故郷のこととか、パパとママの顔を、と顎に当てる手。
「出来るのかも」と、「有り得ないことでは、ないと思う」と。
もしも記憶が戻って来たなら、どんなに嬉しいことだろう。
どう頑張っても思い出せない大切な過去が、この手に戻って来たならば。
記憶喪失の人が「再び思い出す」ように、自分も思い出せたなら。
(…訓練の途中で、大事故に遭って…)
目の前が真っ暗になってしまって、ふと目覚めたら、頭の中に戻っている記憶。
Eー1077の医療センターの、ベッドの上で目を覚ましたら…。
「パパとママは、何処?」と、此処にはいない両親の姿を、探し求めるのに違いない。
記憶が戻って来ているのだから、一番に探すのは、誰よりも頼りになる両親。
(…でも、パパもママも、いなくって…)
ベッドも家のベッドではなくて、まるで全く違う場所。
それに気付いたら、とても悲しくなるだろうけれど…。
(…思い出せたんだ、って嬉しい気持ちも…)
きっと心で弾けると思う。
「ぼくの記憶が戻って来たよ」と、「パパとママの顔も思い出せたよ」と。
懐かしい故郷の風景だって、鮮やかに蘇っていることだろう。
今は全く思い出せない、家に帰ってゆくための道も。
(…ぼくの記憶が戻ったことを…)
マザー・イライザに気付かれたならば、全て、振り出しに戻ってしまう。
此処には、憎い成人検査用の機械、テラズ・ナンバー・ファイブは「いない」けれども…。
(……マザー・イライザだったら、アレと同じに……)
もう一度「成人検査」を施し、「シロエの記憶」を消すことだろう。
「偶然、取り戻してしまった記憶」は、機械にとっては「不要なもの」。
SD体制のシステムに向かない、不都合な「それ」。
だから「消す」のが「彼女」の役目で、元の通りに消されてしまう。
此処へ連れて来られた時と同じに、機械が残した記憶しか無い「シロエ」にされて。
(…そんなの、ぼくは御免だから…!)
機械にバレたら終わりだなんて、と肩をブルッと震わせた。
せっかく記憶が戻って来たのに、再び消されてしまうなんて、と。
(ぼくは、絶対に消させない…!)
バレないように、上手くやってみせる、と自信なら、ある。
意識を取り戻した直後だったら、「パパとママは?」と、キョロキョロしたって…。
(…しっかりと目が覚めたなら…)
自分が置かれた「今の状況」を、冷静に把握出来るだろう。
エリート候補生としての訓練、その数々は伊達ではない。
精神的にも鍛えられるから、意識が明瞭になるまでの時間も短い筈。
(そうしたら、直ぐに…)
朦朧としていた時の「自分の言動」、それらを「無かったことにする」。
医師や看護師が訝しんでいたら、「大丈夫、何でもありません」と。
「おかしなことでも言いましたか?」と、「少し、混乱していたようです」と。
(…今だって、夢を見ている時は…)
ちゃんと両親が出て来るのだから、意識を失くした間に「見ても」おかしくはない。
医師も看護師も、それで納得するだろう。
「両親の夢を見ていたんだな」と、「それで、探してしまったわけか」と。
まさか「記憶を取り戻した」なんて、彼らも、思いはしないだろう。
そんなケースは、きっと多くはないだろうから。
あったとしたって、その後の言動、それでアッサリ、バレるのが普通。
エリート候補生とは違う一般人なら、その場で咄嗟に「取り繕う」ことは出来ないから。
自分なら、上手くやれると思う。
運良く、記憶が戻った時は。
事故のショックで、過去の全てを思い出せたら。
(記憶が戻るくらいの事故なら、ぼくの身体も…)
酷いダメージを受けてしまって、もう「エリート候補生」は務まらないかもしれない。
足が片方、動かないとか、腕が一本、無かったりとか。
(それくらいで済めばいいけれど…)
重度の麻痺が残ってしまって、一生、車椅子かもしれない。
そういう身体になってしまったら、一般市民の道に行っても、制約を受けることだろう。
子供を育てる養父にはなれず、教師くらいしか出来ないだとか。
(でも、そうなっても…)
車椅子でしか動けなくても、腕が一本無くなっていても、きっと自分は後悔はしない。
「事故に遭う前に戻りたいよ」と、嘆く日々など、絶対に来ない。
車椅子の身になってしまっては、会いに行くことさえ叶わなくても…。
(…パパもママも、ちゃんと覚えているから…)
機械に知られてしまわないよう、隠し続けて生きるしかなくても、持っている記憶。
両親の顔も、故郷の家も、朧ではなくて、しっかりと。
子供時代の記憶さえあれば、息を引き取る時が来るまで、心は幸せに羽ばたいてゆける。
「シロエ」は「シロエ」に戻れたから。
二度と会うことは叶わなくても、懐かしい両親を鮮やかに思い出せるから。
(…もしも、そういう事故に遭ったら…)
幸せだよね、と思うけれども、こればかりは運。
けれど、記憶が戻ったならば…。
(ぼくは必ず、上手くやるよ)
また消すなんて、させやしない、と夢に見る未来。
身体の自由を奪われようとも、心が自由な方がいいから。
メンバーズになることは出来なくなっても、記憶が戻ってくれるのならば、と…。
思い出せたら・了
※SD体制の時代でも、サムを治すことは不可能。だったら、記憶喪失も、と思ったわけで…。
シロエの記憶が、勝手に戻ってしまう可能性もあるよね、という所から生まれたお話。
今だって、消され続けているけれど、とシロエが睨み付けた先。
Eー1077で与えられた個室は、マザー・イライザに監視されている。
部屋にいる時は、恐らく、常に。
普段は何も起こらなくても、心を乱せば、彼女の幻影が現れるから。
「どうしました?」と、猫なで声で。
さっきも、そんな風に出て来て、優し気な笑みを湛えていた。
「迷いがあるなら、導きましょう」と、「いつでも、待っていますからね」と。
慈母の言葉のようだけれども、それは警告。
心が乱れたままでいたなら、たちまちコールされるだろう。
(…コールされたら、ぼくの中から、また何か…)
大切な記憶が消えていくんだ、と唇を強く噛み締める。
「ぼくは嫌だ」と、「忘れたくない」と。
(あれが、機械のやり口で…)
このステーションで暮らす候補生たちは、おとなしい羊にされてゆく。
成人検査でも消えずに残った、「機械に都合の悪い記憶」を消去されて。
反抗心を消され、牙を抜かれて、無害な子羊になってゆくけれど…。
(…あんな機械が出来る前から…)
人間の記憶は、消えてしまうことがあったんだよね、と思考を別の方へと向ける。
そうすれば、心が落ち着くから。
憎い機械を忘れてしまえば、心を乱さないで済むから。
(コールなんか、されてたまるもんか)
今回は無事に逃げてみせるさ、とマザー・イライザの幻影も心から切り捨てた。
そうしておいたら、思い出さずにいられて、心が波立つこともなくなる。
一種の現実逃避とはいえ、有効な手段であることは、既に経験済み。
(……心の中では、何を考えるのも自由だしね?)
それにコールもされやしないし、とクスリと笑う。
「ぼくは自由だ」と、「機械なんかに、簡単に支配されやしないよ」と。
そうは思っても、逆らえずに消されてしまった記憶。
成人検査でゴッソリ失くして、その後も、かなり消えたと思う。
なんとも憎い機械だけれども、機械が関与しなくても…。
(……記憶喪失……)
遠い昔から、そういう病があるらしい。
文字通り、記憶を失う病気。
病気と呼んでいいのかどうかは、医者ではないから、分からないけれど。
(大きなショックが引き金になって…)
頭の中から、記憶がストンと抜け落ちるのが、記憶喪失。
何もかも消えてしまうケースも、一部だけというケースもある。
(自分の名前も忘れてしまって、別人になって…)
知り合いにも見付けて貰えないまま、家から遠く離れた所で、長く暮らした例なども。
つまり、機械が関わらなくても…。
(…人間の脳は、何かのショックで…)
記憶を手放してしまう構造になっている。
そして、失くしてしまった記憶は…。
(…消えてしまったままで、戻らないこともあるけれど…)
記憶を失くした時と同じに、突然、戻ったりもする。
もちろん機械は何もしないし、治療の成果というわけでもない。
記憶が戻って来る仕組み自体も、今の時代でも、ハッキリ解明されてはいない。
(…精神的にショックを受けたり、同じような事故に遭ったりして…)
その衝撃で戻ることが多い、と言われてはいても、同じことをしても駄目な場合もある。
人間の脳はデリケートだから、計算通りにはいかないらしい。
機械が記憶を消したり植えたり、そういうことは容易く出来る世の中でも。
成人検査で記憶を消すのが、当たり前になっている時代でも。
(…機械は、まだまだ、人間に敵いやしないってね)
記憶喪失の患者も治せないようじゃ、とクッと喉を鳴らした。
「人間様の方が、ずっと上だよ」と、「機械も、人間が作ったんだから」と。
今も機械が「どうにも出来ない」、記憶喪失。
人間の脳は複雑すぎて、機械といえども、隅々までは把握出来ないから。
(…でもって、記憶を失くした人が…)
記憶を取り戻すことがあるなら、自分にも起こり得るかもしれない。
機械が消してしまった記憶が、記憶喪失の人と同じに…。
(何かのショックで、ある日、いきなり…)
全て戻って来る可能性だって、けしてゼロではないだろう。
機械によって「意図的に」引き起こされたものであっても、今の自分は…。
(昔だったら、記憶喪失みたいなもので…)
子供時代の記憶が欠落していて、両親の顔なども朧げなもの。
その状態で「大きなショック」を受けたら、その衝撃で…。
(思い出すかもしれないよね?)
故郷のこととか、パパとママの顔を、と顎に当てる手。
「出来るのかも」と、「有り得ないことでは、ないと思う」と。
もしも記憶が戻って来たなら、どんなに嬉しいことだろう。
どう頑張っても思い出せない大切な過去が、この手に戻って来たならば。
記憶喪失の人が「再び思い出す」ように、自分も思い出せたなら。
(…訓練の途中で、大事故に遭って…)
目の前が真っ暗になってしまって、ふと目覚めたら、頭の中に戻っている記憶。
Eー1077の医療センターの、ベッドの上で目を覚ましたら…。
「パパとママは、何処?」と、此処にはいない両親の姿を、探し求めるのに違いない。
記憶が戻って来ているのだから、一番に探すのは、誰よりも頼りになる両親。
(…でも、パパもママも、いなくって…)
ベッドも家のベッドではなくて、まるで全く違う場所。
それに気付いたら、とても悲しくなるだろうけれど…。
(…思い出せたんだ、って嬉しい気持ちも…)
きっと心で弾けると思う。
「ぼくの記憶が戻って来たよ」と、「パパとママの顔も思い出せたよ」と。
懐かしい故郷の風景だって、鮮やかに蘇っていることだろう。
今は全く思い出せない、家に帰ってゆくための道も。
(…ぼくの記憶が戻ったことを…)
マザー・イライザに気付かれたならば、全て、振り出しに戻ってしまう。
此処には、憎い成人検査用の機械、テラズ・ナンバー・ファイブは「いない」けれども…。
(……マザー・イライザだったら、アレと同じに……)
もう一度「成人検査」を施し、「シロエの記憶」を消すことだろう。
「偶然、取り戻してしまった記憶」は、機械にとっては「不要なもの」。
SD体制のシステムに向かない、不都合な「それ」。
だから「消す」のが「彼女」の役目で、元の通りに消されてしまう。
此処へ連れて来られた時と同じに、機械が残した記憶しか無い「シロエ」にされて。
(…そんなの、ぼくは御免だから…!)
機械にバレたら終わりだなんて、と肩をブルッと震わせた。
せっかく記憶が戻って来たのに、再び消されてしまうなんて、と。
(ぼくは、絶対に消させない…!)
バレないように、上手くやってみせる、と自信なら、ある。
意識を取り戻した直後だったら、「パパとママは?」と、キョロキョロしたって…。
(…しっかりと目が覚めたなら…)
自分が置かれた「今の状況」を、冷静に把握出来るだろう。
エリート候補生としての訓練、その数々は伊達ではない。
精神的にも鍛えられるから、意識が明瞭になるまでの時間も短い筈。
(そうしたら、直ぐに…)
朦朧としていた時の「自分の言動」、それらを「無かったことにする」。
医師や看護師が訝しんでいたら、「大丈夫、何でもありません」と。
「おかしなことでも言いましたか?」と、「少し、混乱していたようです」と。
(…今だって、夢を見ている時は…)
ちゃんと両親が出て来るのだから、意識を失くした間に「見ても」おかしくはない。
医師も看護師も、それで納得するだろう。
「両親の夢を見ていたんだな」と、「それで、探してしまったわけか」と。
まさか「記憶を取り戻した」なんて、彼らも、思いはしないだろう。
そんなケースは、きっと多くはないだろうから。
あったとしたって、その後の言動、それでアッサリ、バレるのが普通。
エリート候補生とは違う一般人なら、その場で咄嗟に「取り繕う」ことは出来ないから。
自分なら、上手くやれると思う。
運良く、記憶が戻った時は。
事故のショックで、過去の全てを思い出せたら。
(記憶が戻るくらいの事故なら、ぼくの身体も…)
酷いダメージを受けてしまって、もう「エリート候補生」は務まらないかもしれない。
足が片方、動かないとか、腕が一本、無かったりとか。
(それくらいで済めばいいけれど…)
重度の麻痺が残ってしまって、一生、車椅子かもしれない。
そういう身体になってしまったら、一般市民の道に行っても、制約を受けることだろう。
子供を育てる養父にはなれず、教師くらいしか出来ないだとか。
(でも、そうなっても…)
車椅子でしか動けなくても、腕が一本無くなっていても、きっと自分は後悔はしない。
「事故に遭う前に戻りたいよ」と、嘆く日々など、絶対に来ない。
車椅子の身になってしまっては、会いに行くことさえ叶わなくても…。
(…パパもママも、ちゃんと覚えているから…)
機械に知られてしまわないよう、隠し続けて生きるしかなくても、持っている記憶。
両親の顔も、故郷の家も、朧ではなくて、しっかりと。
子供時代の記憶さえあれば、息を引き取る時が来るまで、心は幸せに羽ばたいてゆける。
「シロエ」は「シロエ」に戻れたから。
二度と会うことは叶わなくても、懐かしい両親を鮮やかに思い出せるから。
(…もしも、そういう事故に遭ったら…)
幸せだよね、と思うけれども、こればかりは運。
けれど、記憶が戻ったならば…。
(ぼくは必ず、上手くやるよ)
また消すなんて、させやしない、と夢に見る未来。
身体の自由を奪われようとも、心が自由な方がいいから。
メンバーズになることは出来なくなっても、記憶が戻ってくれるのならば、と…。
思い出せたら・了
※SD体制の時代でも、サムを治すことは不可能。だったら、記憶喪失も、と思ったわけで…。
シロエの記憶が、勝手に戻ってしまう可能性もあるよね、という所から生まれたお話。
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