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※pixiv 撤収しましたので、今後は、こちらで。
 最新作には「emoji」のマークをつけておきますけど、まったり更新。



 いらっしゃいませ、管理人の「みゆ」でございます。

2007年の暮れから「地球へ…」で活動していたものの、イロモノなサイト。

ハレブルな聖痕シリーズを2014年に始めるまでは。

聖痕シリーズは只今、月2更新。聖痕シリーズのショートも、月2更新です。

下のバナーからお出掛け下さい、イロモノ回避でハレブル別館に直通です。
 
       

※聖痕シリーズのショートは、別のサイトになります。
   ←こちらから、どうぞv


 こちらに何を置くかは気まぐれ、目次をどうぞ。

ハレブル以外はBL抜きです、思い付くままにアニテラを書き散らかしてゆくらしいです。
 
  
※イロモノな「地球へ…」に行きたい酔狂な方は、下のバナーからどうぞ。
 ハレブル別館も、こちらの中にあるんですけどね。
 

※それとは別に、毎日更新でシャングリラ学園。ただしセリフのみ、阿呆全開。
 「管理人の巣」でもあります、それが下のバナー。
  ←管理人の巣は、こちらから。おバカな私語も毎日更新v
  
        
        
此処から下が目次になります、タイトルをクリックで御覧下さい。
気付けば「ネタ系」が増えていたオチ、そちらは「emoji」マークが目印ですv
数少ない「ブルフィシ」には「emoji」マークがつけてあります。

お気に入りがありましたら、拍手よろしくお願いします。emoji
拍手レスは、こちら→ 
 
   
   
恋人は先生:ハレブル。聖痕シリーズ早分かりなショート、ネタバレ全開。

腕で作る輪:ハレブル。戻って来たブルー。このくらいかな、とハーレイが腕で作る輪。

柔道部は無理:ハレブル。ブルーが自分のクラブに入ってくれたら、と思うハーレイ。

チョダブラム ~女神の首飾り~:ブルフィシです。タイトルはシェルパ語、死にネタ注意。emoji

メギドに死す:グレイブ・マードック大佐の最期。ソルジャー・ブルーに抱いていた敬意。

大切な本:セキ・レイ・シロエの目覚めの日。宝物だったピーターパンの本はどうなる…?

ただ一人の友へ:サムに「赤のおじちゃん」と呼ばれるキース。それでもサムは大切な友。
 
いつか叶うなら:キースのピアスはサムの血だったと知ったマツカ。いつか叶うのなら…。
   
宝物の本:シロエの最期。宝物だったピーターパンの本を大切に持って、ネバーランドへ。
 
無精髭の男:スローターハウス作戦と無精髭のパスカル。かつてキースが教えた頃には…。
 
マヌカの呪文:シロエの好みのホットミルク。「マヌカ多めにね」という注文の意味は…。
 
名前を書いた本:シロエのピーターパンの本。あの本にシロエが名前を書き込んだ日は…。
 
早すぎた語らい:キースがスウェナに、サムに去られたテーブル。其処に来たシロエは…。
 
要らない誕生日:明日は目覚めの日なジョミー。サムにプレゼントも貰ったというのに…。
  
母の似姿:母親などに似せた姿で現れるマザー・イライザ。ならば、シロエのイライザは?
 
シャングリラ学園:イロモノです。遅刻どころか欠席なキース、副住職の事情というヤツ。
 
初めての友人:サムに「一緒に飯食おうぜ!」と誘われたキース。大切な友人との出会い。
 
友の血と共に:子供に戻ってしまったサム。彼を相棒に選んだキース、サムの血のピアス。
   
訊いてみたい本:シロエを部屋に匿ったキース。気に懸かる、シロエのピーターパンの本。
 
友がくれた言葉:サムの見舞いに出掛けたキース。決戦前夜、かつての友から貰った言葉。
 
夢が覚めたら:キースの部屋に匿われたシロエ。両親に助けられたと思って目覚めたら…。
 
後は真っ直ぐ:機械に奪われたシロエの記憶。それを探しに真っ直ぐ歩こうと思っても…。
 
水の記憶:教育ステーションで初めて目覚めた日のキース。どういうわけか、惹かれる水。
 
抉りたい心:キースには過去の記憶が無い、と耳にしたシロエ。自分は過去が大切なのに。
 
友の励まし:シロエを殴ってしまったキース。サムからの励まし、「元気でチューか?」。
 
作りたい世界:初対面のキースを敵視するシロエ。自分が世界を変える野望の邪魔だから。
 
一つだけの記憶:「何も覚えてないのか?」とサムに訊かれたキース。強いて言うなら…。
 
重ねた面影:ソレイドでキースが出会ったマツカ。重なった友とシロエの面影。ならば…。
 
勝者のバイク:ステーションでシロエが乗っていたバイク。キースに勝ったと爽快な気分。
 
励ましたい友:幼馴染がミュウの長だと悲しんだサム。その場で励まし損ねたキースは…。
 
書けない住所:シロエが両親と住んでいた家。幼い頃には、住所をスラスラ書けたのに…。
 
師走の奇跡:シロエの船を撃墜する筈が、何故かバイクに跨ったキース。シロエ生存ED。emoji
 
行けないフロア:キースがシロエに教えられたフロア001。其処へ行こうと試みても…。

厨房から地球へ ~頑張ったおせち~:人生が仕事納めになった面子が、おせち作りを…。emoji

帰りたい家:両親の顔も、家も忘れてしまったシロエ。いつか帰りたい、両親が暮らす家。

聖夜に一冊 ~薄い本を貴女に~:サンタクロースになった地球キャラ。配るのはBL本?emoji

解けない疑問:スウェナの、サムの思いが分からないキース。乱れた心をどうすればいい?

シンデレラのブーツ:お城に行くにはブーツが必要。それを履いていないキースの運命は?emoji

習ったコーヒー:宙港でマツカが出会った老人。教えて貰ったコーヒー、それをキースに。

マッチ売りの少年:大晦日の夜、雪の中でマッチを売るジョミー。けれど、売れなくて…。emoji

誕生日の訪問者:12月27日はキースの誕生日。プレゼントは処分だと考えていたら…。emoji

ゆく年くる年:夜に羊の番をしている人類の面々。其処へ現れた天の軍勢、いや猿回し…?emoji

選べない道:結婚するスウェナを嘲ったシロエ。けれど、スウェナが行くだろう道には…。

罪作りなピアス:捕虜にしたキースの耳に光るピアス。その意味を勘違いしたミュウは…。emoji

初詣にようこそ:ファンの人たちに御礼がしたい、と初詣の神様になったアニテラの面々。emoji

本当の友:ステーションで起きた宇宙船の事故。救助に出掛けて、サムに救われたキース。

白雪姫と王子:グランド・マザーの所に向かったジョミーとキース。そこに七人の小人が。emoji

マードック大佐の事情:旗艦ゼウスの艦長、マードック大佐。彼が万年大佐な事情とは…。emoji

ブラウニーの味:シロエが食堂で見掛けたら注文するブラウニー。母が作ったのと同じ味。

座敷牢の男:ナスカでミュウに囚われたキース。奇跡的に存在した捕虜の監禁場所の実態。emoji

眠れる船の美形:昏睡状態に陥ったブルー。目覚めて貰わないと困るジョミーの作戦は…。emoji

罪人の証:シロエの船を撃墜したキース。初めて殺した人間がシロエ、その罪はきっと…。

老けない人類:グランド・マザーにキースが投げた質問。それに対する答えは衝撃的で…。emoji

夢の中の瞳:マツカの夢に現れる、ソルジャー・ブルーの瞳。本当に出会った時の瞳は…。

イライザの人形:フロア001でシロエが知ったキースの正体。歌って踊れる人材だとか。emoji

忘れなかった夢:ネバーランドへ行きたかったことを覚えているシロエ。子供時代の夢を。

エリートの初恋:メンバーズになったキース。あれが自分の初恋だった、と気付いても…。emoji

裸のソルジャー:集中力が持続しない、と言われるジョミー。集中力を高めるためには…。emoji

ゆりかごのレクイエム:E-1077に向かったキース。フロア001で知った真実は…。

空からの帰還:落下するブルーを見失ったジョミー。落ちて来たブルーを見付けたシロエ。emoji

見付けた真実:フロア001に入り込んだシロエ。其処で見付けたキースそっくりのモノ。

主席が愛した少年:キースが持ち続けていたシロエの写真。キース亡き後、誤解した人々。emoji

時をかける少年:ジョミーが見付けたスピードウィル。それで走るとタイムリープだとか。emoji

殺せない子供:ミュウの捕虜になってしまったキース。其処へジョミーが連れて来た子供。

心中メギドの草紙:ブルーと心中の危機だったキース。しかし、よくよく考えてみたら…。emoji

気になる匂い:「あなたの匂いがする」とシロエが嫌った、キースのシャツ。臭うわけ…?emoji

仕組まれた罠:シロエが知りたいキースの過去。けれども、エラーメッセージばかりで…。

三つの世界:フィシスが手に入れた魔法のランプ。青い地球がある世界に行くためには…。emoji

少年の末路:イケメンに成長したジョミー。けれど、このまま成長したならオッサンに…?emoji

返すべき本:逮捕されたシロエ。彼にピーターパンの本を返さねば、と追い掛けるキース。

ナキネズミの価値観:キースに挑んだナキネズミのレイン。心を読んだら、毛刈りの危機?emoji

ソルジャーの名前:今はソルジャー候補なジョミー。就任したら、ソルジャー・ジョミー?emoji

底に少しだけ:キースがカップに残すコーヒー。それが残る意味に気付いたマツカの祈り。

隠された父:シロエには思い出せない父。けれど、データがあるかも、と捜してみたら…。

ミュウたちの社歌:シャングリラに毎朝、流れる社歌。それは景気よく、「鈴木建設」と。emoji

恐るべき後継者:ジョミーに補聴器を渡されたトォニィ。置き去りになんて出来ないのに。emoji

彼方からの記憶:スウェナと再会したキース。「ピーターパン」という言葉で止まった足。

幸運の赤いマント:ソルジャー候補なジョミーのマント。赤に決まった理由は申年だとか。emoji

補佐官の厄日:キースの補佐官を拝命したセルジュ。けれどキースにはスルーされるし…。emoji

戻りたい夢:子供時代の夢を見たシロエ。夢の中では見えていた筈の両親の顔。ならば…。

拾った人生:メギドを沈めたソルジャー・ブルー。気付けば周りは漆黒の宇宙、この先は?emoji

刷り込みの誤算:水槽の中で育ったキース。外に出されたら起こる刷り込み、その結果…。emoji

伝説のミュウ:キースが出会ったソルジャー・ブルー。負けたと思った男。次は勝ちたい。

反逆のシロエ:E-1077に向かう船では可愛かったシロエ。華麗なる高校デビュー…?emoji

勝ち取った予算:ヤケ食いしたいソルジャー候補、ジョミーの直訴。お小遣いをくれ、と。emoji

ソルジャーの席:シャングリラのブリッジには無い、ソルジャーの席。それが無い理由は?emoji

目覚めたサイオン:フロア001で捕まったシロエ。囚われの身から自由になれたのは…。

勢いで地球へ:テラズ・ナンバー・ファイブを倒してしまったブルー。ジョミーの運命は?emoji

優しかった人:キースの首を締めるトォニィ。「ブルーは優しい人だった」と。優しい人?emoji

生かしたいミュウ:キースがマツカを生かした理由。二人目のシロエはもう見たくないと。

誤解された長:青の間に初めて入ったジョミー。待っていたブルーはヘッドフォンを着用。emoji

主席の必需品:元老になったキースの仕事は座業の日々。椅子に座るのが辛いとなると…。emoji

地球の緑の丘:シャングリラが去って行った後の地球。ジョミーとキースが思うことは…。

背伸びした言葉:シロエが悔やむ記憶の断片。「父さん」と「母さん」、背伸びした言葉。

ヤエのスカート:ジョミーが不思議に思うもの。やたら短いヤエのスカート、それに生足。emoji

ソルジャーの制服:寝間着でコンビニ、家ではジャージ。その精神がシャングリラだとか。emoji

守りたい人:キースに届いた毒入りの食事。それを見抜いて処理するマツカ。守るために。

落とした記憶:ナスカに墜落したキース。意識が戻れば記憶喪失、候補生時代な好青年…?emoji

此処に在る本:スウェナがキースに渡したもの。シロエの宝物だった、ピーターパンの本。

逆転した立場:メギドの心臓部は精密機械。其処でキースが発砲したから、勝者はブルー。emoji

身を守る鎧:マザー牧場の羊にならないように、と努力するシロエ。嫌われて孤立しても。

負けられない顔:イケメンに育ってゆくブルー。ピンチなヒルマンとゼルとハーレイは…。emoji

スプーンに一杯半:幼いフィシスに夢中なブルー。長老たちがブルーに仕掛けた悪戯は…。emoji

飛び去った鳥に:シロエの船を撃墜した後のキースの思い。マヌカ入りのシナモンミルク。

孤高のチキン:ニナにモーションをかけられたのに、スルーしたジョミー。その理由は…。emoji

機械の思惑:成人検査でシロエが奪われた過去。どうせ奪うなら、子供時代を何故与える?

出したい必殺技:ソルジャー候補なジョミーの悩みは集中力。必殺技があれば出来るかも?emoji

返したい本:キースに下った、E-1077の処分命令。行くのなら、シロエにあの本を。

裏切り者の薬:ミュウのためにと、マツカが足止めしたキース。飲めば頑固な便秘も解消。emoji

ぼくは誰なの:シロエが手繰った故郷の記憶。思い出せない、子供時代に好きだった場所。

ミスった人質:シャングリラから脱出しようとしたキース。人質を一人解放したものの…。emoji

壊された友:サムを覚えているか、とジョミーに尋ねたキース。尋問されていた時のこと。

秘密の尋問:ナスカでキースを捕虜にしたものの、読めない心。BLな脅しは有効ですか?emoji

自由への船出:E-1077から宇宙へと逃亡したシロエ。彼の意志は何処にあったのか。

奇跡のその後:シロエ生存EDな「師走の奇跡」の後日談。日本で高校生になったシロエ。emoji

六人のマツカ:「我々は時代遅れなのだ」というキースの嘆き。今の世の中「松」だらけ。emoji

友の血のピアス:キースが再会したサムは殺人者という扱い。サムには人は殺せないのに。

ソルジャーの寝相:訓練の時も必ずコレで、とジョミーが着せられたソルジャー候補の服。emoji

花屋と暴力団員:メギドから現代の日本に飛ばされてしまった、キースとブルー。さて…?emoji

血を持たぬ者:キースに殴られたシロエ。口の中に広がった血の味、キースは知らない味。

少年の悩み:フィシスに失恋したジョミー。夢の女性は五十歳も上、おまけにブルーは…。emoji

シャングリラに萌え:キースが仰天したミュウの作戦。萌えキャラにコラボカフェですと?emoji

ラスコーの反乱:「冷徹無比な破壊兵器」と異名を取ったキース。そう呼ばれる理由は…。

カエルの王子様:ソルジャー・ブルーがかけた最後の呪い。なんと、キースがカエル語に。emoji

なり損ねた天使:シロエが考えた「死」というもの。子供の頃に死んだら失くさない記憶。

最初のグランパ:トォニィに「グランパ!」と呼ばれたジョミー。それ、どういう意味…?emoji

作られた生命:E-1077を処分した後、戻る船でのキースの苦悩。ミュウにも劣る命。

※下の2つは2016年7月28日記念創作。シリアスとネタと。
 
青い星まで:メギドを沈めたブルーの願い。「地球を見たかった」と。そして青い地球へ。

老人とメギド:ブルーを一人でメギドに行かせて、叱られるジョミー。強すぎる長老たち。emoji

母を真似る機械:マザー・イライザに初めて出会ったシロエ。故郷の母だと思ったのに…。

最強の剣士:お伽話の王子様みたい、とジョミーが思った大袈裟なマント。王子なら、剣?emoji

作れない友:ミュウの版図が拡大する中での、キースの思い。いる筈だった二人の友は…。

助けられたテスト:夢の世界で成績ドン底なキース。落第の危機を救ってくれた面子は…。emoji

嘘で出来た世界:シロエが失くした両親の記憶。優しかった両親さえも、嘘をついていた。

盗られた制服:ソルジャー候補なジョミーの部屋から消えた制服。代わりに女性用の制服?emoji

長としての道:ブルーが見た成人検査の時の夢。今も救えないミュウの子供は多い筈で…。

選んだピアス:サムの血で作ったピアスをつけようと決意したキース。何故ピアスなのか。

無免許なキャプテン:実は無免許なキャプテン・ハーレイ。筆記試験に落っこちたせいで。emoji

乗れない練習艇:シロエの年では操船出来ない練習艇。それに乗りたいのに下りない許可。

江戸の町医者:SD体制が崩壊した後、キースとジョミーがいたのは江戸時代。どうする?emoji

出来ない生き方:キースには真似られない、ソルジャー・ブルー。彼のように死ねたら…。

憩いのサウナ:長老たちに直訴だ、と出掛けたジョミー。その先に待っていたものとは…。emoji

友達の記憶:友達を作ろうとしないシロエ。けれど故郷では…。今も消えない友達の記憶。

拾われた少年:キースに船を撃墜された後、シロエを拾ったのは海賊船。シロエ生存ED。emoji

永遠の敗北:ソルジャー・ブルーにメギドを沈められた後。キースの心を占めるものは…。

天国の緑の丘:「最後まで私は一人か」と死んだキースを、天国で待ち構えていたのは…。emoji

部屋を出たなら:故郷の家の住所が思い出せないシロエ。家から何処かへ行く道の記憶は?

グランパは嫌だ:地球の地の底、キースに「ジジイ」と言われたジョミー。まだ死ねない!emoji

幸福な生命:かつてシロエに「幸福なキース」と言われた理由。本当に自分は幸福なのか。

パクりたい頭脳:急成長を遂げたトォニィ。けれど頭は三歳児なわけで、学校も無くて…。emoji

過去を持たぬモノ:フロア001でシロエが見たモノ。胎児から並んだ「キース」の群れ。

大いなる沈黙へ:夢の中で修道士見習いになってしまったキース。厳しい孤独と沈黙の掟。emoji

偽りの生まれ:国家騎士団総司令に昇進したキース。知らない者など無い、その名前は…。

ミュウたちの主食:ジョミーが連れて来られたシャングリラ。人気メニューは麺類だとか。emoji

見られない夢:シロエが見詰めるピーターパンの本。その中にネバーランドを探しても…。

やり直した人生:メギドで死んだソルジャー・ブルー。なのに成人検査を受けた日の自分。emoji

ハロウィンの船:カボチャと骸骨まみれのシャングリラ。ジョミーが驚いている間にも…。emoji

追いたくない船:宇宙に逃亡したシロエ。彼の船を追って飛び立つまでの、キースの思い。

人のいいリオ:ジョミーを救いに地球に降りたリオ。女性を助けて岩の下敷き、そして…。emoji

記憶が無ければ:キースには過去の記憶が無い、と耳にしたシロエ。胸を占める思いは…。

撃ってしまう人:後ろから近付いた者は撃つキース。もちろんマツカも例外ではなくて…。emoji

ゆりかごの因子:自分は「ミュウの女」の遺伝子データを継いだ、と知ったキースの衝撃。

アルビノを目指せ:カリスマではブルーに敵わないジョミー。せめてアルビノだったなら。emoji

機械の手駒:いい成績を収めても、マザー・イライザが得をするだけだ、と悔しいシロエ。

その後の事情:ソルジャーを継いだトォニィの悩み。「お年頃だから」と勧められる縁談。emoji

置いてゆく友へ:元老になったキース。ソル太陽系でミュウと戦うのなら、ノアのサムは?

ミュウたちのゴジラ:メギドの炎で目覚めた怪獣。それを「モスラ」と崇めるミュウたち。emoji

イライザの羊:シロエが耳にした聖書の話。人間という羊を飼っている神。それならば…。

風と木の騎士団:ジルベスターでキースについた部下たち。妙に面子が濃すぎる理由は…。emoji

もういない者へ:マツカの死を実感できないキース。彼の弔いに出たら、違ったろう結果。

消せない肖像:ソルジャー候補のジョミーに、船の仲間たちが隠し事。おまけに笑って…。emoji

いつか失くすもの:いつかトップに立ちたいシロエ。けれど、その頃には自分の姿形は…?

起こしたい奇跡:ブルーが貰った「奇跡を起こす力」。けれど制約が…。マツカ生存ED。emoji

流れない涙:サムの死を知らされたキース。悲しみが心に溢れているのに、目から涙は…。

鬼のソルジャー:「ぼくは甘すぎる」と思ったジョミー。地球に行くには鬼にならないと。emoji

国家主席の迎春:旗艦ゼウスでキースが見た夢。寺の鐘を撞くのが遅れて、叱られる朝…?emoji

ピーターパンの欠片:シロエの夢に現れるピーターパン。残してゆく、赤いマントの残像。

腰が低い人:訓練をサボるジョミーを脅したブルー。リオの正体は「御庭番」なのだとか。emoji

死神を待つ:ミュウとの会談を控えた夜。警備兵を下がらせ、銃も持たないキースの胸中。

賞金の行方:グランド・マザーが、ソルジャー・ブルーに懸けた賞金。金貨十万枚だとか。emoji

探り当てた秘密:キースの秘密を探り続けるシロエ。E-1077の奥深く潜り込んで…。

お好みの花は:「家に帰せ」とブルーに怒鳴ったジョミー。帰る前に一つ訊かれたことは?emoji

Mの拠点へ:ジルベスターに向かって旅立ったキース。サムの仇のM、けれどシロエもM。

カモられる元老:パルテノン入りを果たしたキース。けれど芸術音痴なのを嘲られる日々。emoji

逃れたい窓:窓が無いE-1077の個室。其処でシロエが焦がれる自由。窓の外には…。

健在な人:「三年、ぼくの死を隠せ」というブルーの命令。そして死なずに昏睡状態で…。emoji

持たない自由:自分は作られたものだ、と自覚するキース。何処までが機械の計算なのか。

最強のアサシン:ナスカ崩壊の後、悲嘆に暮れるフィシス。望みはブルーの仇を討つこと。emoji

奪われた名前:シロエが気付いた自分の名前。「レイ」というミドルネームには意味が…?

刺さった少年:ジョミーの部屋の壁に刺さったナキネズミ。「馬鹿だ」と思ったくせに…。emoji

出来過ぎた偶然:サムの見舞いを続けるキース。そのサムが壊れた原因は「キース」かも。

少年は守護霊:マツカにしか見えない、キースの側にいる少年。黒髪に紫の瞳の少年で…。emoji

失われた記憶:E-1077の中庭の花。シロエも覚えている名前。けれど、欠けた記憶。

ミュウたちの風呂:シャングリラに連れて来られたジョミー。嫌すぎるのが、彼らの風呂。emoji

  
目次その2は、こちら→http://blueterra.kyotolog.net/Entry/205/
   
  
                                                                    
                                                                       
                                                                     
                                                                       
                                                                       
                                                                       
                                                                       
                                    
                       
                           
                    

拍手[7回]

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(……シロエ……)
 お前は何を思っていた、とキースは遠い日の出来事を思い返す。
 首都惑星ノアの国家騎士団総司令のための個室で、夜が更けた後に一人きりで。
(…あの日、シロエは船を奪って…)
 暗い宇宙に飛んで行ったが、と「シロエを処分した」時を振り返ってゆく。
 あの時、シロエが乗っていた船は練習艇で、武器を搭載してはいなかった。
(練習艇などで逃亡しても、逃げ切れるわけが無いというのに…)
 シロエに分からない筈が無いのだ、と思うけれども、他の選択肢は無かったのか。
 Eー1077で「シロエくらいの年の候補生」は、練習艇しか乗せて貰えない。
 けれど、操縦の理論は習っているから、他の船でも「初見で」操縦することは出来る。
(……船なら、他にもあったのに……)
 キースがシロエを追った船もあったし、それ以外にも「武装した」船はあったと思う。
 その気さえあれば、シロエは「武装した船」で逃げられただろう。
(…かなり衰弱していたせいで、思考が上手く働かなかったのか…?)
 練習艇しか目に入らなくて、目に付いた船で逃亡しただけなのか。
 そうだとしたなら、シロエは「普段のシロエ」とは、少し違っていたかもしれない。
 「逃げる」ことしか考えられない、常軌を逸した「半ば、狂気に近い」状態になって。
(それなら、練習艇で逃げても、おかしくはないが…)
 シロエらしくない「逃げ方」になった理由が「狂気」だったなら、哀れではある。
 ピーターパンの本だけを持って、「今のサム」のように、子供の心で逃げて行ったのなら。
(……本当に、あいつらしくもない……)
 正気であって欲しいものだな、と考えるけれど、「そうではない」という気もする。
 もしもシロエが「子供の頃の心に戻って」逃亡したなら、それは勝利とも言えるだろう。
 「狂ってしまったサム」と同じで、機械の支配を逃れたからこそ、自分の世界に入り込める。
 たとえ狂気の中であろうと、心は間違いなく「自由」そのもの。
 何処へ行こうが、何処へ飛ぼうが、誰も「シロエ」を支配出来ない。
 思うままに飛んで、飛び去った先が「破滅」だろうが、シロエは確かに「自由」だった。


 真実は誰にも分からないけれど、シロエは飛び去り、自由な翼で旅立って行った。
 「機械が支配する世界」を逃れて、焦がれ続けた「自由」を手に入れ、もう戻っては来ない。
(…勝手気ままに生きたと言えるか…)
 どんな最期を迎えようとも、と考える内に、不意に頭を掠めた思考。
 「機械が無から作った、キース」は、シロエのように生きられるのか。
 自分の心に正直に生きて、戻れない過去にこだわり続けて、死と引き換えにして自由を掴む。
 それがシロエの「人生」だったけれども、キースにも同じことが出来るか。
(…どうなのだろう…?)
 そもそも「自由に生きた」こと自体が無い、というのが正直な思い。
 マザー・イライザや、グランド・マザーの指示に従い、忠実に生きて今日まで来た。
(私の自由で決めたことと言えば…)
 ミュウのマツカを側近に据えた程度で、他に「機械に逆らった」ことなどは無い。
(…シロエの船さえ、撃ち落とした程に…)
 機械の言うままに生きて来たけれど、心の中には「疑問」が増え続けている。
 SD体制も、グランド・マザーも、システムにしても、とても「正しい」とは考えられない。
(……しかし私は、逆らえないのだ……)
 今の世界を導くように「作られた」からな、と悔しい思いは確かにある。
 ならば「シロエ」が「そうした」道を選んで、「自由」を目指して飛び去れるのか。


(…何もかも、捨ててゆけるのならば…)
 キースも「自由」になれるのだろう。
 グランド・マザーも、国家騎士団総司令の地位も、これから先の人生も捨てて行けたなら。
(…私さえ、その気になったなら…)
 その道を行くことは出来そうではある。
 側近にしている「マツカ」も、予め先に逃がしておいたら、ミュウの船に行けるに違いない。
(…私が逃亡した場合に、危険が及ぶのは、マツカだけだな…)
 他の部下には「やりよう」がある、と冷静に分析してみれば分かる。
 皆、優秀な人材なのだし、「キース」が反逆罪になっても、殺される恐れは皆無だと思う。
(…私に関する、不都合な記憶を消されるだけで…)
 それまで通りに生きられるだろう、と答えは出せるし、マツカさえ無事に逃がせたら…。
(逃げる道はある、というわけだが…)
 誰に迷惑をかけることもなく、飛び去る自由は「私」にもある、と思いはする。
 ただ、「その道」を選べるかどうか、其処の所が、まるで自信が無い。
 なにしろ「シロエ」のように、「帰りたい世界」を「キース」は持たない。
 育ててくれた養父母はいないし、故郷と呼べる星さえも無い。
 「キース」の記憶は「Eー1077」から始まっていて、「それよりも以前」は存在しない。


 飛び去ったシロエが狂気に陥っていたとしたなら、彼はサムと同じに幸せだったろう。
(…故郷の星へと飛んで行ったか、ピーターパンの本に出て来る世界へ…)
 ネバーランドに旅立ったのか、どちらにしても幸せに満ちた世界への船出で、旅立ち。
 ところが、キースは「狂気の中で、帰ってゆく」なら、水槽の中になってしまう。
 其処が「キースが生まれた世界」で、記憶に残ってさえもいない暗闇。
(…暗闇は、御免蒙りたいが…)
 狂気に陥った時に「何が見えるか」、「何処へ行くのか」、想像もつかないのが恐ろしい。
 「お前はヒトではないのだから」と残酷な宣言を受けたようにも思えてしまう。
(…正気で逃げる以外に、道は無さそうだな…)
 シロエは、どちらだったか謎なのだが、と「シロエ」の生き様が羨ましい。
 正気だろうが、狂気だろうが、シロエは「自由」な世界を目指して「飛び去ってゆけた」。
 機械の支配を振り捨てて逃げて、真の自由を手に入れたけれど、キースはどうか。
(…狂気の中では、幸せに逃げてゆけないのなら…)
 最初から「自由」ではないようだ、と深い溜息が零れて落ちる。
 最後まで自我を保っていないと、何もかも捨てて逃げられないなら、自由ではない。
(…正気さえも捨てて、それでもいいというのでなければ…)
 とても「自由」とは言えない身なのだ、と自分の生まれが情けない。
 今のサムが「子供の時代に戻っている」ように、「機械の支配」を逃れる道はキースには無い。
 シロエがそうして旅立ったように、「何もかも捨てて」飛んでゆくにも、制約がある。


(…もしも、狂気の中に逃れたならば…)
 私には「自由」が見えるのだろうか、と思う自由は持っているけれど、実行出来るか。
(…狂気に陥ること自体が、出来ないように訓練されてしまって…)
 その道も選べないように思える、と分かっているから、今夜は「シロエ」を羨んでしまう。
 狂気だろうと、正気だろうと、彼は「自由」に飛び去ったから。
 何もかも捨てて「自由」を選んで、間違いなく「自由」を手に入れて去った。
(…いつか私も、そう出来たなら…)
 自由に振る舞った先に「自由」を手にすることが出来たら、と夢を見るのは自由だろう。
 たとえ「危険な思考」だとしても。
 グランド・マザーに気付かれたとしたら、消されてしまいそうな思考でも。
(…狂気の中には、逃れられそうもないのだからな…)
 せめて「夢」くらい見させて欲しい、と「シロエ」が飛び去った「宇宙」を思い浮かべる。
 いつかは、自分も飛んでゆけたら、と。
 「機械に無から作られた」身体だろうが、心だけは自由に、思う場所へと…。



              羨ましい道・了


※キースは「何もかも捨てて逃げる」ことが出来るか、考えてみた所から出来たお話。
 無から作られて水槽で育っただけに、シロエのように「逃げてゆく」のも難しいのかも…。






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(…ネバーランド…)
 行きたいよね、とシロエはピーターパンの本のページを、ゆっくりとめくる。
 今日は、珍しく「何も無かった」。
 イライザの耳障りな声は聞いていないし、映像だって目にしていない。
 候補生たちとの諍いも無くて、彼らの振舞いが気に障るようなことも起こらなかった。
(こんな日、何日ぶりなのかな…)
 パパとママの家にいた頃みたいだ、と思うくらいに穏やかな夜。
(勉強するには、もったいなくて…)
 普段だったら欠かさない、遥か先の講義の予習は休むことにした。
 先の先まで予習しなくても、明日の授業に困りはしない。
(どうせ明日には、イライラしながら、机に向かっているだろうしね…)
 今夜はのんびり過ごしたいよ、と机の前には座らなかった。
 勉強に使った記憶など無い、ベッドに腰かけて大切な本のページを繰ってゆく。
 故郷から無事に持って来られた、宝物のピーターパンの本。
 この本にしても、今夜みたいに「ゆっくりと読める」のは久しぶりだった。
 まるで故郷の家にいるようで、心地良い時間が流れてゆく。
(…二つ目の角を右に曲がって、後は朝まで、ずっと真っ直ぐ…)
 ネバーランドには、そう行くんだよ、と道順を飽きずに読み直したくなる。
 他のページも好きなのだけれど、此処に来てから、この道順に何度も心を救われた。
 深い悲しみと喪失感に押し潰されそうな時に、心の中で繰り返して。


 故郷の家で焦がれ続けた、ネバーランド。
 とうとう迎えは来てくれなくて、ステーションまで来てしまった。
(…だけど、今でも…)
 行けるものなら行きたいんだよ、と道順を読んで、更に行きたくなる。
 此処には「人工の朝」しか無いから、「二つ目の角を右に曲がる」ことしか出来ない。
 自力でネバーランドに行けはしなくて、ピーターパンが来るのを待つしか無い。
(……ピーターパン……)
 ステーションまで来てくれないかな、と個室の中を眺め回しても、窓は無かった。
 たとえ宇宙が見えるだけでも、この部屋に窓があったなら…。
(…ピーターパンと、ティンカーベルが…)
 飛んで来るかもしれないのに、と「窓の無い部屋」が恨めしい。
 ピーターパンが迎えに来てくれたなら、候補生の制服なんかは捨ててしまって一緒に行く。
(ネバーランドよりも素敵だって聞いてた、地球だって…)
 惜しくなどは無いし、断然、ネバーランドがいい。
 ピーターパンたちと楽しく暮らして、冒険をしたり、海賊退治をしたりもする。
(…ステーションなんかに、二度と戻るもんか!)
 地球に行けなくなっても構わないよ、と思うけれども、一つだけ、心に引っ掛かる。
(ステーションとか地球はいいけど、パパとママがいる家…)
 あそこには帰りたくなるに違いないよね、と気になるものは故郷の家と両親。
 ネバーランドを経由したなら、家に帰ることは出来るのだろうか。
(…ピーターパンなら、家まで送って行くことも…)
 容易いだろう、と分かるけれども…。


(…ネバーランドに行きっ放しで、地球にも、ステーションにも行かないままで…)
 暮らし続ける日々は、きっと楽しい。
 とはいえ、故郷の家には「帰らない」まま、いつまでも暮らしてゆける気はしない。
(…ネバーランドと、パパとママがいる家、どっちか一つを選ぶんなら…)
 一度、どちらかに決めてしまえば、二度と選べはしないと言うなら、どちらだろう。
 ネバーランドで暮らし続けるのか、故郷の家に戻るのか。
(…やっぱり、家には帰りたいよ…)
 帰ったら捕まることになっても、と今の時代のシステムを考えてみても、故郷を選びたい。
 ネバーランドで暮らしていたなら、誰も「シロエを捕まえには来ない」のが分かっていても。
(…ほんの少しの間だけでも…)
 顔もおぼろになってしまった両親に会えて、懐かしい家で過ごせたらいい。
 引き換えに命を落とすことになっても、微塵も後悔しないだろう。
(…ネバーランドから、家に戻れるんなら…)
 ピーターパンが引き留めたって、「ぼくは帰るよ」と宣言する。
 「だから家まで送って行って」と、「ぼくには帰り道が分からないから」と頼み込んで。
(ピーターパンなら、きっと断らないよ)
 だって、子供の味方だものね、と大きく頷き、ハタと気付いた。
(…それって、ホントに子供なのかな…?)
 ネバーランドよりも家を選ぶだなんて、と自分自身に問い掛ける。
(本当に無邪気な子供だったら、家に帰りたいなんて思わないんじゃあ…?)
 ネバーランドにいるんだから、と答えは考えるまでもない。
 ピーターパンの方から「家に帰った方がいいよ」と言わない限りは、本物の子供は帰らない。
 まだまだ沢山、やりたいことが溢れているのが、ネバーランドという場所だから。


 ネバーランドと、故郷の家。
 どちらを優先するかで、道が二つに分かれていそう。
 「ネバーランドがいいよ」と、迷いもしないで答えられるのが「子供」たち。
 家に帰りたいと思うようになるのは、多分、「大人」と言うのだろう。
(…ぼくも大人で、子供ではなくて…)
 子供の心を失くしたのかも、とシロエの背筋がゾクリと冷えた。
 「そんな馬鹿な」と恐ろしいけれど、故郷の家で暮らしていた頃には、きっと違った。
(…パパとママが心配しているかも、って…)
 言い出すことはあるとしたって、最初から「家」を求めはしない。
 ネバーランドで遊び疲れて、ベッドに入りたくなるような頃に初めて、家が恋しくなるだろう。
(…ママが作る食事に、いつものベッド…)
 そういったものが揃った「居心地のいい場所」、それが「家」として浮かんで来る。
 ネバーランドも素敵だけれども、「ママの食事」や、馴染んだベッドは無いのだから。
(…そうだったっけ、って思い出すまで…)
 故郷の家も、両親のことも、綺麗に忘れてしまっているのが「子供」のシロエ。
 ステーションで暮らす「シロエ」みたいに、両親や故郷にこだわりはしない。
(……きっと、そう……)
 ぼくは何処かで変わっちゃった、とピーターパンの本を眺めて愕然とする。
 「いったい何処で変わったんだろう」と、頭に浮かぶのは「成人検査」。
 それから、ステーションの「マザー・イライザ」、SD体制という酷いシステム。
(…寄ってたかって、ぼくを作り変えて…)
 大人になるように仕向けたんだ、と怖いけれども、この道からは逃れられない。
 ピーターパンの迎えは来るわけが無くて、子供ではなくなった「シロエ」は置き去り。
 どんなに望んで行きたがっても、ネバーランドに繋がる扉は開いてくれない。


(…そんなの、酷い…)
 酷すぎるから、と涙が頬を伝ってゆく。
 「ぼくは大人になっちゃったの?」と、「もう子供には戻れないの?」と悲しみに暮れて。
(……嘘だよね……?)
 お願いだから、誰か「嘘だ」と言ってよ、と縋りたくても、個室の中には「シロエ」だけ。
 ステーションでは「一人暮らし」が決まりなのだし、泣きつけるような友人もいない。
(…駄目だ、心を落ち着けないと…)
 また、あの機械がおせっかいを、と懸命に涙を堪えるしかない。
 心が乱れたままでいたなら、「マザー・イライザ」が「どうしました?」と現れるから。
 マザー・イライザの映像が部屋を訪ねて来たなら、またしても「何か」を失うから。
(…ますます大人になってしまって…)
 もう戻りようが無くなっちゃうよ、とピーターパンの本を強く抱き締める。
 「お願いだから、ぼくを助けて」と。
 「これ以上、大人になってしまわないよう、ぼくを守って」と、大切な道順を心で唱える。
(…二つ目の角を右に曲がって、後は朝まで、ずっと真っ直ぐ…)
 ネバーランドに行くんだから、と夢を膨らませて「子供」に戻ってゆけるように。
 けして「大人」になりはしないで、子供の心を抱えたままで、いつか故郷に帰れるように…。



            分かれている道・了


※アニテラのシロエが、焦がれ続けたネバーランド。ピーターパンの本に書かれた場所。
 其処を選ぶのか、故郷の家を選ぶのかで、子供と大人が分かれていそう。






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(……両親か……)
 きっと、さぞかし良いものなのだろうな、とキースは心で一人呟く。
 首都惑星ノアの、国家騎士団総司令の部屋で、夜が更けた後に。
 机の上には、側近のマツカが置いて行ったコーヒーがあるが、人影はもう無い。
 今日の昼間に時間が取れて、サムの病院へ見舞いに出掛けた。
 その時、サムが話していたのが両親のこと。
(サムは、いつでも楽しそうに…)
 彼を育てた両親の様子を教えてくれる。
 「パパが勉強しろって、うるさいんだ」などと、今も両親と暮らしているかのように。
 サムの両親はとうの昔に、サムの子育てを終えてしまっているのが現実なのに。
(次の子供を育てているのか、養父母の役目を降りているのか…)
 調べたことは無いのだけれども、どちらかだろう。
 いずれにしても、両親は、もはや「サム」とは無縁で、彼らの暮らしにサムなどいない。
(そうとも知らずに、記憶の中の両親と暮らしているサムは…)
 いつ会いに行っても幸せそうで、「叱られたんだ」と言っていたって嬉しそうに見える。
 そうなるくらいに、「両親」というものは、「良いもの」なのに違いない。
 シロエが懐かしがっていたのも、故郷と「両親」だった。
(…サムは心を壊されたせいで、子供の頃に戻ってしまって…)
 今も両親と暮らし続けて、充実した日々を送っているらしい。
 病院の中だけで生きているのに、「此処から出たい」と話したことは無いから。
(…そして、シロエは…)
 故郷の星に帰りたいとばかり願い続けて、最後は暗い宇宙に散った。
 シロエの魂だけは、あの後、故郷に向かったろうか。
 両親が今も暮らしている星へ、ただ真っ直ぐに。
 「きっと、そうだ」という気がする。
 其処で両親に会えたシロエは、嬉しかったか、あるいはガッカリさせられたのか。
 両親が「次の子供」を育てていたなら、家に「シロエ」の居場所は無い。
(……だが、そうなっていても……)
 シロエは満足したのだろう、とも思えてしまう。
 「シロエだけの親」ではなくなっていても、両親に会うことが出来たのだから。
 たとえ言葉は交わせなくても、両親の目には映らなくても、「家に帰れた」ことが一番。
 成人検査で奪われたという「子供時代の記憶」も、シロエはすっかり思い出せたのだろう。
 代わりに命を失っていても、サムが幸せなのと同じで、シロエも幸せ一杯で。


 サムの見舞いに出掛けてゆく度、繰り返される「サムの両親の話」。
 普段は気にも留めないけれども、たまに、こうして「引っ掛かって来る」。
 サムもシロエも、「両親」を追っているというのに、キースには、その「両親」がいない。
(…どうせ、育ての親なのだが…)
 いるといないのでは違うのだろうな、と分かってはいる。
 マザー・イライザが、こう話していた。
 キースは、「両親や友人などに左右されることなく、育った無垢な者」なのだと。
(…私を無から作るだけでは、まだ足りなくて…)
 「親も友人も与えないまま、水槽の中で育て続ける」ことが重要なポイントだったらしい。
 成人検査の年を迎えて「水槽から出る」まで、何者にも「影響されない」ことが。
(…そういう選択をしたほどなのだし、両親の存在は大きくて…)
 機械が「理想の養父母を選んで、キースに与えた」としても、駄目なのだろう。
 両親も所詮は「生きた人間」だけに、「キース」は何処かで感化されるに違いない。
 「父のような人間を目指したい」とか、「母の優しさを見習いたい」だとか。
(…どうしても、偏る部分が出来てしまって…)
 全ての人類を導くための「指導者」には、不適格になるのだろうと思う。
 「キースにとって、望ましい人間像」が生まれたのでは、其処から外れる者が出て来るから。
(…将来、人材を抜擢するとか、登用する時に…)
 それらが影を落とすようでは、わざわざ「無から作り出してまで」世の中に出した意味が無い。
 あくまで「公正、公平」な選択が出来る者でなければ、本当の意味での「政治」は出来ない。
(…そうなのだろう、とは思うのだがな…)
 納得もしてはいるのだけれど、実は「気になる」点が「もう一つ」ある。
 「キース・アニアン」は、無から作られて「水槽の中で育った」というだけではない。
 機械は「辻褄を合わせる」ために、キースの「出生」まで「作り上げていた」。
 誕生日を決めて、育った場所と「両親」までをも、まるで「本物である」かのように。


 機械が設けた「誕生日」の方は、それほど気にはならない。
 水槽の中から出された時でも、「生命として」出来た時でも、変わりは何も無いだろうから。
(…どうせ私は、どちらにしても…)
 記憶に残っていないわけだし、「キース」に影響するようなものでもない。
 誕生日くらい、いつであろうが、ただの記念日。
 ステーションの中にいたなら、同級生たちが祝いの言葉をくれる程度の代物だから。
(…メンバーズでなければ、卒業した後も…)
 仲間や伴侶と祝う機会もありそうだけれど、キースは、そうした道には「いない」。
(…誕生日などは、あろうが無かろうが…)
 本当に「どうでもいい」のだがな、と思っているくせに、「どうでもいい」とは思えないもの。
 不意に頭に浮かんで来る度、気になってしまうものは「両親」。
 サムが楽しげに語っている時、心を掠めてゆくことも多い。
(…私の、記録上の両親は…)
 果たして「実在する」のか、実は「何処にもいない」のか。
(…マザー・イライザも、グランド・マザーも…)
 両親のことなど語らないから、偽の情報の正体は今も「謎」のままで留め置かれている。
 恐らく、調べようと試みてみても、壁に突き当たることだろう。
 機械が巧妙に隠し続けて、「キース」の目には、けして触れないように躱して。


(……両親か……)
 記録の上では、キースが育った故郷の星に「いた」筈の両親。
 データを引き出したことは無いけれど、恐らく、「キース」を育てた頃の写真もあるだろう。
(…しかし、写真を作り上げるくらい…)
 「キース」を「無から作った」ことに比べれば、ごく簡単なことに過ぎない。
 シロエのように器用な者なら、子供時代でも「偽の写真」を合成出来る。
 まして機械が「細工する」となれば、「両親の、今現在の姿」さえをも作り上げられる。
(…私を育てた頃から、今日まで経過した年月の分を…)
 計算し尽くして、相応しく年を取らせて、「今は、こういう姿ですよ」と。
(…実在するのか、していないのか…)
 それを調べようとするだけ無駄だ、と知っているだけに、調べようとも思いはしない。
 試みてみても「壁に当たる」か、偽のデータで「誤魔化される」か。
(……永遠の謎というものなのだが……)
 もしも、と、たまに考えてしまう。
(偽の両親で、私など、一度も育てていなくて…)
 会ったことさえ無いのだとしても、「偽の両親が実在している」なら、一度、姿を見てみたい。
 「キース」の養父母らしい姿か、そうでもないのか、それだけでも自分で確かめてみたい。
 「親というのは、こういうものか」と、少しだけでも分かりそうだから。
 サムが、シロエが慕う両親、それが「どういうもの」なのかが。


 そうは思っても、機会は永遠に来そうにない。
 SD体制が続く限りは、グランド・マザーに阻まれ続けて、どうにもならないことだろう。
(いつか、機会が来るとしたなら…)
 その時には、「キース」の命も、ありそうにはない。
 人類がミュウに敗れた時しか、SD体制は終わりはしないし、SD体制が終わるのならば…。
(…人類の指導者をしている筈の私も、もろともに…)
 滅びることになるだろうしな、と溜息しか落ちて来ないけれども…。
(……ジョミー・マーキス・シン……)
 一度だけ会ったミュウの指導者で、サムの同級生だったという「ソルジャー・シン」。
 彼が何かの気まぐれを起こして、「キース」を生かしておいてくれるなら…。
(…シロエが、故郷に帰ろうとして…)
 暗い宇宙に飛び立ったように、「キース」も宇宙に飛んでみようか。
 「機械が作り上げた、記録の上だけの」親が、何処かの星にいるかどうかを、探し求めて。
 SD体制が壊れた後なら、本当のことも分かるだろうから。
(……そう出来たなら……)
 少しは「人間」に近付けるのだろうか、と「作られた者」だからこそ、思ってしまう。
 形だけの「偽の両親」だろうと、存在してさえいれば、「キース」にも「親」が出来るから。
 「親というのは、どういうものか」が、ほんの少しだけ、理解出来そうだから…。



              親がいるなら・了


※アニテラだと、シロエが調べて分かったのは、キースの誕生日。原作だと、故郷と両親。
 両親の名前まで分かっているので、其処から生まれたお話。実在するかが謎だけに。





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 今日も静かな夜になったね、青の間には、ぼく一人しかいない。
 昼の間は、多い時だと、次々に人が来るのだけれど…。
 閉める時間の少し前には、誰もいなくなって、静けさだけだ。
 それから後は、何時頃かな、巡回の人が来るのが何回か。
 ベッドの周りを一回りしたら、直ぐに帰ってしまうけれどね。


 ぼくが、この部屋で生きた時代は、時の彼方だ。
 もうトォニィの代も終わって、次のソルジャーは不在だったよ。
 ミュウと人類は和解した上、ごくごく自然に融合を遂げて、区別自体が消え去った。
 そんな時代に、もうソルジャーは必要ではない。
 トォニィが引退を宣言した後、ソルジャーは選ばれることが無かった。
 誰も「選ぼう」とさえも言わなかったし、それで時代が一つ終わりを迎えたわけだ。


 そうなるよりも、ずっと前から、シャングリラという箱舟は役目を終えて、此処にあったよ。
 地球の復興には長い時間がかかるだろうから、首都惑星のノアに据えられた。
 誰でも見られる船になるよう、見学用の通路なんかを整備した上でね。
 その船の中の住人と言えば、ぼく一人だけ。
 仲間たちは皆、平和になった宇宙に散らばって行って、船に残る者はいなかった。
 船を維持するためのスタッフになった、一部のクルーがいただけだよ。
 もっとも、彼らも家は別の所に持っていたから、昼の間しか来なかったね。


 広いシャングリラに、今は、ぼくしかいなくなった。
 この青の間から外へ出てみても、昼間以外は、夜勤のスタッフくらいだ。
 見学者で賑わう昼の間も、どうやら此処は「特別」らしい。
 「ソルジャー・ブルー」が生きた時代を再現しようと、案内板さえ置かれてはいない。
 ついでに言うなら、入場制限もしているようだね。
 人が多いと、雰囲気が壊れてしまうそうだよ。
 ぼくは賑やかでも構わないのに、誰が決まりを作ったんだろう。
 「変えて欲しい」と言いに行こうにも、今のぼくには出来ないだけに、仕方ないんだが…。


 でもね、たまに不思議な「お客様」が来るんだ。
 見学の人の中には、幼い子供を連れている人も少なくはない。
 そうして此処に入った子供が、ぼくに向かって笑い掛けるんだよ。
 手を振ってくれる子も、何人も見たね。
 ぼくが思うに、「あの子たち」の目には、「ぼく」が映っているんだろう。
 いつも思念を送るけれども、答えが返って来ないものだから、これは推測なんだが…。
 どうやら「子供たち」と「ぼく」の間には、見えない壁があるらしい。
 とうに死んでいる「ぼく」の世界に引き込まないよう、神様が作った壁なのかな。


 ぼくは、ずっと前から、この青の間で暮らしている。
 メギドで命を終えて以来で、ジョミーも、トォニィも、此処に来ていた。
 けれど「ぼく」には気付かないまま、二人とも、去って行ってしまって、それっきりだ。
 自分の役目を果たした後には、きっと未練が無かったんだろう。
 ぼくも、そろそろ、この船を離れた方がいいんだろうね。
 地球は順調に青くなりつつあるから、それを「地球の上で」見届けるために。


 近い未来に、子供でなくても「ぼくの姿が見える」見学者たちが増えて来るだろう。
 彼らはまさに「進化したミュウ」で、青い姿に戻った地球の未来を担ってゆける。
 その日が来るのは、そう遠くない。
 「青の間には、今も幽霊が出る」と、妙な噂が立ち始める前に、ぼくは此処から旅立とう。
 「ソルジャー・ブルーの幽霊つきのシャングリラ」が誕生しない間に、地球を目指して。
 青の間を離れて、広い宇宙を真っ直ぐに翔けて。


 そうして、地球が青い姿に戻るのを見届けた後は、どうしようかな…。
 まだ考えてはいないけれども、幸せだろうね。
 肉眼では、ついに見られなかった、青い水の星を見られるのだから。
 その青い地球を担ってゆける者たち、「進化したミュウ」も、近い内に、きっと生まれて来る。
 彼らが未来を築いてゆく日も、希望に満ちた地球の未来も、じきに来るから…。



             青の間の夜・了


※アニテラ放映当時から、18年になります。もう追悼でもないでしょうけど、つい…。
 青の間にいるブルー、地縛霊などではありません。座敷童のような守り神です。








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