※pixiv 撤収しましたので、今後は、こちらで。
最新作には「」のマークをつけておきますけど、まったり更新。
いらっしゃいませ、管理人の「みゆ」でございます。
2007年の暮れから「地球へ…」で活動していたものの、イロモノなサイト。
ハレブルな聖痕シリーズを2014年に始めるまでは。
聖痕シリーズは只今、月2更新。聖痕シリーズのショートも、月2更新です。
下のバナーからお出掛け下さい、イロモノ回避でハレブル別館に直通です。
※聖痕シリーズのショートは、別のサイトになります。
←こちらから、どうぞv
こちらに何を置くかは気まぐれ、目次をどうぞ。
ハレブル以外はBL抜きです、思い付くままにアニテラを書き散らかしてゆくらしいです。
※イロモノな「地球へ…」に行きたい酔狂な方は、下のバナーからどうぞ。
ハレブル別館も、こちらの中にあるんですけどね。
※それとは別に、毎日更新でシャングリラ学園。ただしセリフのみ、阿呆全開。
「管理人の巣」でもあります、それが下のバナー。
←管理人の巣は、こちらから。おバカな私語も毎日更新v
此処から下が目次になります、タイトルをクリックで御覧下さい。
気付けば「ネタ系」が増えていたオチ、そちらは「」マークが目印ですv
数少ない「ブルフィシ」には「」マークがつけてあります。
お気に入りがありましたら、拍手よろしくお願いします。
拍手レスは、こちら→
恋人は先生:ハレブル。聖痕シリーズ早分かりなショート、ネタバレ全開。
腕で作る輪:ハレブル。戻って来たブルー。このくらいかな、とハーレイが腕で作る輪。
柔道部は無理:ハレブル。ブルーが自分のクラブに入ってくれたら、と思うハーレイ。
チョダブラム ~女神の首飾り~:ブルフィシです。タイトルはシェルパ語、死にネタ注意。
メギドに死す:グレイブ・マードック大佐の最期。ソルジャー・ブルーに抱いていた敬意。
大切な本:セキ・レイ・シロエの目覚めの日。宝物だったピーターパンの本はどうなる…?
ただ一人の友へ:サムに「赤のおじちゃん」と呼ばれるキース。それでもサムは大切な友。
いつか叶うなら:キースのピアスはサムの血だったと知ったマツカ。いつか叶うのなら…。
宝物の本:シロエの最期。宝物だったピーターパンの本を大切に持って、ネバーランドへ。
無精髭の男:スローターハウス作戦と無精髭のパスカル。かつてキースが教えた頃には…。
マヌカの呪文:シロエの好みのホットミルク。「マヌカ多めにね」という注文の意味は…。
名前を書いた本:シロエのピーターパンの本。あの本にシロエが名前を書き込んだ日は…。
早すぎた語らい:キースがスウェナに、サムに去られたテーブル。其処に来たシロエは…。
要らない誕生日:明日は目覚めの日なジョミー。サムにプレゼントも貰ったというのに…。
母の似姿:母親などに似せた姿で現れるマザー・イライザ。ならば、シロエのイライザは?
シャングリラ学園:イロモノです。遅刻どころか欠席なキース、副住職の事情というヤツ。
初めての友人:サムに「一緒に飯食おうぜ!」と誘われたキース。大切な友人との出会い。
友の血と共に:子供に戻ってしまったサム。彼を相棒に選んだキース、サムの血のピアス。
訊いてみたい本:シロエを部屋に匿ったキース。気に懸かる、シロエのピーターパンの本。
友がくれた言葉:サムの見舞いに出掛けたキース。決戦前夜、かつての友から貰った言葉。
夢が覚めたら:キースの部屋に匿われたシロエ。両親に助けられたと思って目覚めたら…。
後は真っ直ぐ:機械に奪われたシロエの記憶。それを探しに真っ直ぐ歩こうと思っても…。
水の記憶:教育ステーションで初めて目覚めた日のキース。どういうわけか、惹かれる水。
抉りたい心:キースには過去の記憶が無い、と耳にしたシロエ。自分は過去が大切なのに。
友の励まし:シロエを殴ってしまったキース。サムからの励まし、「元気でチューか?」。
作りたい世界:初対面のキースを敵視するシロエ。自分が世界を変える野望の邪魔だから。
一つだけの記憶:「何も覚えてないのか?」とサムに訊かれたキース。強いて言うなら…。
重ねた面影:ソレイドでキースが出会ったマツカ。重なった友とシロエの面影。ならば…。
勝者のバイク:ステーションでシロエが乗っていたバイク。キースに勝ったと爽快な気分。
励ましたい友:幼馴染がミュウの長だと悲しんだサム。その場で励まし損ねたキースは…。
書けない住所:シロエが両親と住んでいた家。幼い頃には、住所をスラスラ書けたのに…。
師走の奇跡:シロエの船を撃墜する筈が、何故かバイクに跨ったキース。シロエ生存ED。
行けないフロア:キースがシロエに教えられたフロア001。其処へ行こうと試みても…。
厨房から地球へ ~頑張ったおせち~:人生が仕事納めになった面子が、おせち作りを…。
帰りたい家:両親の顔も、家も忘れてしまったシロエ。いつか帰りたい、両親が暮らす家。
聖夜に一冊 ~薄い本を貴女に~:サンタクロースになった地球キャラ。配るのはBL本?
解けない疑問:スウェナの、サムの思いが分からないキース。乱れた心をどうすればいい?
シンデレラのブーツ:お城に行くにはブーツが必要。それを履いていないキースの運命は?
習ったコーヒー:宙港でマツカが出会った老人。教えて貰ったコーヒー、それをキースに。
マッチ売りの少年:大晦日の夜、雪の中でマッチを売るジョミー。けれど、売れなくて…。
誕生日の訪問者:12月27日はキースの誕生日。プレゼントは処分だと考えていたら…。
ゆく年くる年:夜に羊の番をしている人類の面々。其処へ現れた天の軍勢、いや猿回し…?
選べない道:結婚するスウェナを嘲ったシロエ。けれど、スウェナが行くだろう道には…。
罪作りなピアス:捕虜にしたキースの耳に光るピアス。その意味を勘違いしたミュウは…。
初詣にようこそ:ファンの人たちに御礼がしたい、と初詣の神様になったアニテラの面々。
本当の友:ステーションで起きた宇宙船の事故。救助に出掛けて、サムに救われたキース。
白雪姫と王子:グランド・マザーの所に向かったジョミーとキース。そこに七人の小人が。
マードック大佐の事情:旗艦ゼウスの艦長、マードック大佐。彼が万年大佐な事情とは…。
ブラウニーの味:シロエが食堂で見掛けたら注文するブラウニー。母が作ったのと同じ味。
座敷牢の男:ナスカでミュウに囚われたキース。奇跡的に存在した捕虜の監禁場所の実態。
眠れる船の美形:昏睡状態に陥ったブルー。目覚めて貰わないと困るジョミーの作戦は…。
罪人の証:シロエの船を撃墜したキース。初めて殺した人間がシロエ、その罪はきっと…。
老けない人類:グランド・マザーにキースが投げた質問。それに対する答えは衝撃的で…。
夢の中の瞳:マツカの夢に現れる、ソルジャー・ブルーの瞳。本当に出会った時の瞳は…。
イライザの人形:フロア001でシロエが知ったキースの正体。歌って踊れる人材だとか。
忘れなかった夢:ネバーランドへ行きたかったことを覚えているシロエ。子供時代の夢を。
エリートの初恋:メンバーズになったキース。あれが自分の初恋だった、と気付いても…。
裸のソルジャー:集中力が持続しない、と言われるジョミー。集中力を高めるためには…。
ゆりかごのレクイエム:E-1077に向かったキース。フロア001で知った真実は…。
空からの帰還:落下するブルーを見失ったジョミー。落ちて来たブルーを見付けたシロエ。
見付けた真実:フロア001に入り込んだシロエ。其処で見付けたキースそっくりのモノ。
主席が愛した少年:キースが持ち続けていたシロエの写真。キース亡き後、誤解した人々。
時をかける少年:ジョミーが見付けたスピードウィル。それで走るとタイムリープだとか。
殺せない子供:ミュウの捕虜になってしまったキース。其処へジョミーが連れて来た子供。
心中メギドの草紙:ブルーと心中の危機だったキース。しかし、よくよく考えてみたら…。
気になる匂い:「あなたの匂いがする」とシロエが嫌った、キースのシャツ。臭うわけ…?
仕組まれた罠:シロエが知りたいキースの過去。けれども、エラーメッセージばかりで…。
三つの世界:フィシスが手に入れた魔法のランプ。青い地球がある世界に行くためには…。
少年の末路:イケメンに成長したジョミー。けれど、このまま成長したならオッサンに…?
返すべき本:逮捕されたシロエ。彼にピーターパンの本を返さねば、と追い掛けるキース。
ナキネズミの価値観:キースに挑んだナキネズミのレイン。心を読んだら、毛刈りの危機?
ソルジャーの名前:今はソルジャー候補なジョミー。就任したら、ソルジャー・ジョミー?
底に少しだけ:キースがカップに残すコーヒー。それが残る意味に気付いたマツカの祈り。
隠された父:シロエには思い出せない父。けれど、データがあるかも、と捜してみたら…。
ミュウたちの社歌:シャングリラに毎朝、流れる社歌。それは景気よく、「鈴木建設」と。
恐るべき後継者:ジョミーに補聴器を渡されたトォニィ。置き去りになんて出来ないのに。
彼方からの記憶:スウェナと再会したキース。「ピーターパン」という言葉で止まった足。
幸運の赤いマント:ソルジャー候補なジョミーのマント。赤に決まった理由は申年だとか。
補佐官の厄日:キースの補佐官を拝命したセルジュ。けれどキースにはスルーされるし…。
戻りたい夢:子供時代の夢を見たシロエ。夢の中では見えていた筈の両親の顔。ならば…。
拾った人生:メギドを沈めたソルジャー・ブルー。気付けば周りは漆黒の宇宙、この先は?
刷り込みの誤算:水槽の中で育ったキース。外に出されたら起こる刷り込み、その結果…。
伝説のミュウ:キースが出会ったソルジャー・ブルー。負けたと思った男。次は勝ちたい。
反逆のシロエ:E-1077に向かう船では可愛かったシロエ。華麗なる高校デビュー…?
勝ち取った予算:ヤケ食いしたいソルジャー候補、ジョミーの直訴。お小遣いをくれ、と。
ソルジャーの席:シャングリラのブリッジには無い、ソルジャーの席。それが無い理由は?
目覚めたサイオン:フロア001で捕まったシロエ。囚われの身から自由になれたのは…。
勢いで地球へ:テラズ・ナンバー・ファイブを倒してしまったブルー。ジョミーの運命は?
優しかった人:キースの首を締めるトォニィ。「ブルーは優しい人だった」と。優しい人?
生かしたいミュウ:キースがマツカを生かした理由。二人目のシロエはもう見たくないと。
誤解された長:青の間に初めて入ったジョミー。待っていたブルーはヘッドフォンを着用。
主席の必需品:元老になったキースの仕事は座業の日々。椅子に座るのが辛いとなると…。
地球の緑の丘:シャングリラが去って行った後の地球。ジョミーとキースが思うことは…。
背伸びした言葉:シロエが悔やむ記憶の断片。「父さん」と「母さん」、背伸びした言葉。
ヤエのスカート:ジョミーが不思議に思うもの。やたら短いヤエのスカート、それに生足。
ソルジャーの制服:寝間着でコンビニ、家ではジャージ。その精神がシャングリラだとか。
守りたい人:キースに届いた毒入りの食事。それを見抜いて処理するマツカ。守るために。
落とした記憶:ナスカに墜落したキース。意識が戻れば記憶喪失、候補生時代な好青年…?
此処に在る本:スウェナがキースに渡したもの。シロエの宝物だった、ピーターパンの本。
逆転した立場:メギドの心臓部は精密機械。其処でキースが発砲したから、勝者はブルー。
身を守る鎧:マザー牧場の羊にならないように、と努力するシロエ。嫌われて孤立しても。
負けられない顔:イケメンに育ってゆくブルー。ピンチなヒルマンとゼルとハーレイは…。
スプーンに一杯半:幼いフィシスに夢中なブルー。長老たちがブルーに仕掛けた悪戯は…。
飛び去った鳥に:シロエの船を撃墜した後のキースの思い。マヌカ入りのシナモンミルク。
孤高のチキン:ニナにモーションをかけられたのに、スルーしたジョミー。その理由は…。
機械の思惑:成人検査でシロエが奪われた過去。どうせ奪うなら、子供時代を何故与える?
出したい必殺技:ソルジャー候補なジョミーの悩みは集中力。必殺技があれば出来るかも?
返したい本:キースに下った、E-1077の処分命令。行くのなら、シロエにあの本を。
裏切り者の薬:ミュウのためにと、マツカが足止めしたキース。飲めば頑固な便秘も解消。
ぼくは誰なの:シロエが手繰った故郷の記憶。思い出せない、子供時代に好きだった場所。
ミスった人質:シャングリラから脱出しようとしたキース。人質を一人解放したものの…。
壊された友:サムを覚えているか、とジョミーに尋ねたキース。尋問されていた時のこと。
秘密の尋問:ナスカでキースを捕虜にしたものの、読めない心。BLな脅しは有効ですか?
自由への船出:E-1077から宇宙へと逃亡したシロエ。彼の意志は何処にあったのか。
奇跡のその後:シロエ生存EDな「師走の奇跡」の後日談。日本で高校生になったシロエ。
六人のマツカ:「我々は時代遅れなのだ」というキースの嘆き。今の世の中「松」だらけ。
友の血のピアス:キースが再会したサムは殺人者という扱い。サムには人は殺せないのに。
ソルジャーの寝相:訓練の時も必ずコレで、とジョミーが着せられたソルジャー候補の服。
花屋と暴力団員:メギドから現代の日本に飛ばされてしまった、キースとブルー。さて…?
血を持たぬ者:キースに殴られたシロエ。口の中に広がった血の味、キースは知らない味。
少年の悩み:フィシスに失恋したジョミー。夢の女性は五十歳も上、おまけにブルーは…。
シャングリラに萌え:キースが仰天したミュウの作戦。萌えキャラにコラボカフェですと?
ラスコーの反乱:「冷徹無比な破壊兵器」と異名を取ったキース。そう呼ばれる理由は…。
カエルの王子様:ソルジャー・ブルーがかけた最後の呪い。なんと、キースがカエル語に。
なり損ねた天使:シロエが考えた「死」というもの。子供の頃に死んだら失くさない記憶。
最初のグランパ:トォニィに「グランパ!」と呼ばれたジョミー。それ、どういう意味…?
作られた生命:E-1077を処分した後、戻る船でのキースの苦悩。ミュウにも劣る命。
※下の2つは2016年7月28日記念創作。シリアスとネタと。
青い星まで:メギドを沈めたブルーの願い。「地球を見たかった」と。そして青い地球へ。
老人とメギド:ブルーを一人でメギドに行かせて、叱られるジョミー。強すぎる長老たち。
母を真似る機械:マザー・イライザに初めて出会ったシロエ。故郷の母だと思ったのに…。
最強の剣士:お伽話の王子様みたい、とジョミーが思った大袈裟なマント。王子なら、剣?
作れない友:ミュウの版図が拡大する中での、キースの思い。いる筈だった二人の友は…。
助けられたテスト:夢の世界で成績ドン底なキース。落第の危機を救ってくれた面子は…。
嘘で出来た世界:シロエが失くした両親の記憶。優しかった両親さえも、嘘をついていた。
盗られた制服:ソルジャー候補なジョミーの部屋から消えた制服。代わりに女性用の制服?
長としての道:ブルーが見た成人検査の時の夢。今も救えないミュウの子供は多い筈で…。
選んだピアス:サムの血で作ったピアスをつけようと決意したキース。何故ピアスなのか。
無免許なキャプテン:実は無免許なキャプテン・ハーレイ。筆記試験に落っこちたせいで。
乗れない練習艇:シロエの年では操船出来ない練習艇。それに乗りたいのに下りない許可。
江戸の町医者:SD体制が崩壊した後、キースとジョミーがいたのは江戸時代。どうする?
出来ない生き方:キースには真似られない、ソルジャー・ブルー。彼のように死ねたら…。
憩いのサウナ:長老たちに直訴だ、と出掛けたジョミー。その先に待っていたものとは…。
友達の記憶:友達を作ろうとしないシロエ。けれど故郷では…。今も消えない友達の記憶。
拾われた少年:キースに船を撃墜された後、シロエを拾ったのは海賊船。シロエ生存ED。
永遠の敗北:ソルジャー・ブルーにメギドを沈められた後。キースの心を占めるものは…。
天国の緑の丘:「最後まで私は一人か」と死んだキースを、天国で待ち構えていたのは…。
部屋を出たなら:故郷の家の住所が思い出せないシロエ。家から何処かへ行く道の記憶は?
グランパは嫌だ:地球の地の底、キースに「ジジイ」と言われたジョミー。まだ死ねない!
幸福な生命:かつてシロエに「幸福なキース」と言われた理由。本当に自分は幸福なのか。
パクりたい頭脳:急成長を遂げたトォニィ。けれど頭は三歳児なわけで、学校も無くて…。
過去を持たぬモノ:フロア001でシロエが見たモノ。胎児から並んだ「キース」の群れ。
大いなる沈黙へ:夢の中で修道士見習いになってしまったキース。厳しい孤独と沈黙の掟。
偽りの生まれ:国家騎士団総司令に昇進したキース。知らない者など無い、その名前は…。
ミュウたちの主食:ジョミーが連れて来られたシャングリラ。人気メニューは麺類だとか。
見られない夢:シロエが見詰めるピーターパンの本。その中にネバーランドを探しても…。
やり直した人生:メギドで死んだソルジャー・ブルー。なのに成人検査を受けた日の自分。
ハロウィンの船:カボチャと骸骨まみれのシャングリラ。ジョミーが驚いている間にも…。
追いたくない船:宇宙に逃亡したシロエ。彼の船を追って飛び立つまでの、キースの思い。
人のいいリオ:ジョミーを救いに地球に降りたリオ。女性を助けて岩の下敷き、そして…。
記憶が無ければ:キースには過去の記憶が無い、と耳にしたシロエ。胸を占める思いは…。
撃ってしまう人:後ろから近付いた者は撃つキース。もちろんマツカも例外ではなくて…。
ゆりかごの因子:自分は「ミュウの女」の遺伝子データを継いだ、と知ったキースの衝撃。
アルビノを目指せ:カリスマではブルーに敵わないジョミー。せめてアルビノだったなら。
機械の手駒:いい成績を収めても、マザー・イライザが得をするだけだ、と悔しいシロエ。
その後の事情:ソルジャーを継いだトォニィの悩み。「お年頃だから」と勧められる縁談。
置いてゆく友へ:元老になったキース。ソル太陽系でミュウと戦うのなら、ノアのサムは?
ミュウたちのゴジラ:メギドの炎で目覚めた怪獣。それを「モスラ」と崇めるミュウたち。
イライザの羊:シロエが耳にした聖書の話。人間という羊を飼っている神。それならば…。
風と木の騎士団:ジルベスターでキースについた部下たち。妙に面子が濃すぎる理由は…。
もういない者へ:マツカの死を実感できないキース。彼の弔いに出たら、違ったろう結果。
消せない肖像:ソルジャー候補のジョミーに、船の仲間たちが隠し事。おまけに笑って…。
いつか失くすもの:いつかトップに立ちたいシロエ。けれど、その頃には自分の姿形は…?
起こしたい奇跡:ブルーが貰った「奇跡を起こす力」。けれど制約が…。マツカ生存ED。
流れない涙:サムの死を知らされたキース。悲しみが心に溢れているのに、目から涙は…。
鬼のソルジャー:「ぼくは甘すぎる」と思ったジョミー。地球に行くには鬼にならないと。
国家主席の迎春:旗艦ゼウスでキースが見た夢。寺の鐘を撞くのが遅れて、叱られる朝…?
ピーターパンの欠片:シロエの夢に現れるピーターパン。残してゆく、赤いマントの残像。
腰が低い人:訓練をサボるジョミーを脅したブルー。リオの正体は「御庭番」なのだとか。
死神を待つ:ミュウとの会談を控えた夜。警備兵を下がらせ、銃も持たないキースの胸中。
賞金の行方:グランド・マザーが、ソルジャー・ブルーに懸けた賞金。金貨十万枚だとか。
探り当てた秘密:キースの秘密を探り続けるシロエ。E-1077の奥深く潜り込んで…。
お好みの花は:「家に帰せ」とブルーに怒鳴ったジョミー。帰る前に一つ訊かれたことは?
Mの拠点へ:ジルベスターに向かって旅立ったキース。サムの仇のM、けれどシロエもM。
カモられる元老:パルテノン入りを果たしたキース。けれど芸術音痴なのを嘲られる日々。
逃れたい窓:窓が無いE-1077の個室。其処でシロエが焦がれる自由。窓の外には…。
健在な人:「三年、ぼくの死を隠せ」というブルーの命令。そして死なずに昏睡状態で…。
持たない自由:自分は作られたものだ、と自覚するキース。何処までが機械の計算なのか。
最強のアサシン:ナスカ崩壊の後、悲嘆に暮れるフィシス。望みはブルーの仇を討つこと。
奪われた名前:シロエが気付いた自分の名前。「レイ」というミドルネームには意味が…?
刺さった少年:ジョミーの部屋の壁に刺さったナキネズミ。「馬鹿だ」と思ったくせに…。
出来過ぎた偶然:サムの見舞いを続けるキース。そのサムが壊れた原因は「キース」かも。
少年は守護霊:マツカにしか見えない、キースの側にいる少年。黒髪に紫の瞳の少年で…。
失われた記憶:E-1077の中庭の花。シロエも覚えている名前。けれど、欠けた記憶。
ミュウたちの風呂:シャングリラに連れて来られたジョミー。嫌すぎるのが、彼らの風呂。
目次その2は、こちら→http://blueterra.kyotolog.net/Entry/205/
やっぱり、今でも行きたいよ、とシロエは深い溜息を零す。
Eー1077の夜の個室で、ピーターパンの本を広げて、思い描く世界。
もしも、あそこへ飛んで行けたら、どんなに素敵なことだろう。
この恐ろしい牢獄から出て、自由に空を飛び回れる。
ピーターパンやティンカーベルと一緒に、青い海の上も、高い雲の上も。
(…訓練のことも、勉強のことも、全部、忘れて…)
一日、好きに遊び回って、その後は…。
(…何処へ帰ることになるんだろう?)
何処なのかな、と首を捻った。
ピーターパンは、何処へ送ってくれるのだろう。
Eー1077の部屋になるのか、それとも…。
(…ぼくが住んでた、エネルゲイアの…)
両親の家に帰ってゆくのか、其処が気になる。
(…ネバーランドに行けたってことは、子供なんだし…)
もしかしたら、此処へは戻らずに済んで、故郷に帰れるのかもしれない。
故郷の家が何処に在ったか、「シロエ」の記憶は、曖昧だけれど…。
(ピーターパンなら、知っているから…)
「ほら、着いたよ!」と、家に送り届けて、夜空を帰ってゆくのだろうか。
「また来るからね、いい子で待ってて!」と、頼もしい言葉を置いて行ってくれて。
(…ピーターパンが、また来るんなら…)
Eー1077には、二度と戻らないでいいのだと思う。
どういう仕組みか謎だけれども、「シロエ」は故郷の家に戻って、暮らしてゆける。
マザー・イライザの手から逃れて、成人検査の末に送り込まれた牢獄からも自由になって。
(……素敵だよね……)
本当にそうなってくれる日が来たら、最高だろう。
故郷の家も、両親だって、前と同じに「シロエ」のもの。
記憶があちこち欠けているのも、その内に、きっと癒えてゆくのに違いない。
手がかりは家にドッサリとあるし、両親だって、教えてくれる筈。
「あら、忘れちゃったの?」だとか、「おやおや、覚えていないのかい?」などと。
(…ママたちは、全部、覚えてるから…)
消された記憶も、元に戻せることだろう。
時間はかかりそうだけれども、何もかも、全部。
最高だよね、とシロエは笑みを浮かべて夢の翼を羽ばたかせる。
Eー1077からネバーランドへ、ネバーランドから、故郷の家へ。
(ピーターパンと飛んで行ったら、アッと言う間に…)
楽しくて長い旅は終わって、また、じきに夜がやって来る。
ピーターパンが迎えに来る夜、ティンカーベルが飛んで来る夜が。
(…Eー1077まで、ピーターパンが来てくれたなら…)
あくる日に、何が待っていようが、断りはしない。
メンバーズ・エリートに選ばれるための、最終の試験だったとしたって、捨ててゆくだろう。
ステーションには二度と戻らないから、それでいい。
(…パパやママと、ずっと暮らしてゆけるんだから…)
メンバーズとしての未来なんかは、何も要らない。
国家主席を目指す野望も、機械を止める目標だって、捨ててしまって後悔はしない。
(…だって、そうしようと思っているのは…)
いつか記憶を取り戻すためで、それ以外の意味は、ただの「後付け。
他の子たちの未来などより、自分自身の未来が大切。
(…ピーターパンが来てくれるんなら、そうだよね…?)
この牢獄から「シロエ」を自由にしてくれるのだし、後は自分の好きに出来るし…。
(…夜になったらネバーランドで、昼間は、パパやママと暮らして…)
年だって、きっと、取らないんだよ、と夢は大きく広がったけれど、ハタと気付いた。
「そういう世界」を夢に見るのは、シロエが「過去を失くした」から。
故郷の家も、両親のことも、もう、おぼろにしか覚えてはいない。
だからこそ、故郷に帰ることが夢なのだけれど、これが「子供時代のシロエ」だったら…。
(…ネバーランドに行った後には、どうしてたかな…?)
ピーターパンが「家に送るよ」と言い出した時は、どうするだろう。
いそいそと後についてゆくのか、「帰りたくないよ!」と、駄々をこねるか。
(……家には、いつでも帰れるんだし……)
駄々をこねる方を「やってしまいそう」な気がする。
「もっと遊ぶよ」と、「帰るのは、明日でもかまわないでしょ?」と我儘を言って。
(…本当に自由な子供だったら…)
「家に帰ろう」と言われた時には、逆の方へと転がるだろう。
いつでも帰れて、「其処にある家」、急いで戻る必要は無いし、帰るよりかは夢の国がいい。
ネバーランドで遊び続けて、家のことなど忘れてしまいそうなのが「本物の子供」。
(…そうなっちゃうのが、子供らしい子で…)
けれど、それでは「よろしくない」から、ピーターパンが「家に送るよ」と申し出るだけ。
「朝までに、家に帰らないと」と、「夜になったら、迎えに行くから」と教え諭して。
(…その筈なのに、今のぼくだと…)
ピーターパンの申し出を聞いて、嫌がりもせずに、むしろ進んで「帰ってゆく」。
「本当に家に帰れるの?」と目を輝かせて、大喜びして、ピーターパンと空に舞い上がって。
(……これじゃ駄目だよ……)
そんなの、子供なんかじゃない、と「シロエ」にも分かる。
Eー1077に来て以来、ずっと、機械に抵抗し続けて来た。
マザー・イライザも、SD体制も受け入れはせずに、否定しているつもりなのに…。
(…ぼくは、すっかり変わっちゃってる…)
これじゃ大人と変わらないよ、と恐ろしいけれど、「成人検査」のせいなのかどうか。
(…成人検査、って言うくらいだし…)
あのくらいの年が節目で、子供から大人になるのだろうか。
自分では意識していなくても、何かが変わってしまう年頃なのか。
(…そうだとしたら…)
ピーターパンが迎えに来た時、「家に帰れる!」と思う「シロエ」は「子供ではない」。
機械のせいでも、成人検査のせいでもなくて、シロエ自身が「そうなった」。
ピーターパンの本の中にも、そういう話は描かれている。
「子供から、大人になってゆく子」が、くっきりと描写されていて。
(…もしかしたら、ぼくはとっくに…)
子供の心を失くしてしまって、ネバーランドに行ける資格も無いのだろうか。
こんなに焦がれて、いつか行きたくて、子供の頃から夢を見たのに。
(…そんなの、酷いよ…)
絶対に違う、と機械のせいにしたいけれども、何処かで「違う」と声が聞こえる。
「家に帰りたい、と思う子供は、いやしないよ」と、幼かった日の「シロエ」の声が。
「ネバーランドに連れてって貰えて、その後、直ぐに帰りたかった?」と問い掛けて来る。
「違うでしょ?」と、「もっと遊びたいでしょ」と、「それがホントの子供なんだよ」と。
(……ぼくのせいなの……?)
自分で勝手に「大人になって」しまってるの、と愕然としても、そうでしかない。
機械に記憶を消されたせいで「家に帰りたい」のは、本当だけれど…。
(…ぼくが今でも、子供だったら…)
ろくに覚えていない「家」に帰ってゆくより、ネバーランドがいいだろう。
「もっと遊ぶよ」と、「どうせ家なんか、覚えてないし」と、アッサリと捨てて。
(…二度と家には帰れなくって…)
Eー1077にも戻れなくても、「本物の子供」は「気にも留めない」。
ネバーランドの住人になって、家も故郷も、失くしたとしても。
(ピーターパンやティンカーベルと、ずっと暮らして…)
自由気ままに遊び回って、生き生きとしていることだろう。
ピーターパンの本に書かれた世界と違って、「大人と子供は、違う世界」なのが今だから。
(…記憶が無いなら、帰らなくても…)
ピーターパンだって、「帰らないと」とは言い出さないのに違いない。
「ずっと、ネバーランドにいていいよ」と、許してくれるだけで。
(…家まで送るよ、って言われた時に…)
ぼくは間違った答えをするの、と怖いけれども、それでも家に帰りたい。
ネバーランドには「二度と行けなくなっても」、故郷の家に戻れるのならば。
両親の家で暮らしてゆけるというなら、その道でいい。
(……子供の夢ではなさそうだけど……)
帰れるのなら、それでいいよ、と「どうやら、子供ではない」シロエの心で答えを出す。
「ネバーランドか、家を選ぶか、二つに一つだったら、家の方だ」と。
夢の国だけで生きてゆくには、今の「シロエ」は、きっと、向いていない。
今も「故郷」も「両親のこと」も、どうしても「忘れられない」から。
本物の子供が選ぶようには、気ままに「家を捨てられない」から…。
子供だったら・了
※ネバーランドに行くか、故郷の家に帰るか、選べるのなら、どっちかな、というお話。
子供時代のシロエだったら、ネバーランドになりそうですけど、今のシロエは違いそう。
まさか、ああいう星だとはな、とキースは深い溜息を零す。
国家騎士団総司令として、初めて、「地球」を視察して来た。
マザー・イライザから教わった知識、その中にある地球は、美しく、「青い」。
(…地球の上では、選ばれた者たちだけが暮らしていて…)
人類の聖地、地球が再び損なわれないよう、気を配っていると思っていた。
地球は一度は滅びた星で、蘇るまでに長い年月を要したのだから。
(…しかし、この目で眺めた地球は、赤くて…)
今も残った海は、毒素のために「何も棲めない」。
地表は酷く砂漠化したまま、朽ち果てたビル群が今も在るだけ。
(……地球の座標が、極秘にされているわけだ……)
あれは「見せられない」からな、と暗澹とした気持ちになる。
視察の旅から戻ったノアで、夜更けに、一人きりの個室で。
(…私でさえも、これほどまでに…)
衝撃を受けているような有様、普通の者には耐えられはしない。
だからこそ、地球の座標は極秘で、機密事項になっているのだろう。
何も知らない民間人などが、興味本位で「地球を見よう」と思わないように。
(聖地、地球への、一般人の降下は、そもそも、禁止なのだが…)
降下出来ない星であっても、近くまで来れば、見てみたくなる。
民間船で飛んでゆく航路、其処から「地球が近い」となったら、要望も出そう。
「少しだけ、地球を見せてくれないか」と、航路に詳しい乗客から。
(目的地に着くのが、遅くなっても…)
聖地の「地球」を見られるとなれば、誰からも文句は出ないだろう。
「私も見たい」と言い出す者はあっても、「地球はいいから、急いでくれ」とは…。
(…誰一人、言いはしないだろうな…)
場合によっては、船長自ら、客に提案しかねない。
「運良く、地球に近い所を通るようです。如何ですか?」と、航路を少し外れることを。
(……有り得るどころか、起きるとしか……)
思えないから、地球の座標は伏せられている。
「地球の本当の姿」は、けして「知られてはいけない」。
SD体制を敷いた成果が、「まるで無かった」ことを皆が目にすることになるから。
そのこと自体は、直ちに「危機」には繋がらないだろう。
機械が統治する世界で生まれ育った者は、基本的には、システムに従う。
(…青い地球には戻っていない、と知っても、それだけでは…)
システムに逆らい、体制打倒を目指して動き出すほどの気概は無くて、其処はいい。
問題は「心」の方にある。
(…生まれた時から、地球のために、と教育を受けて…)
地球に憧れ、夢を見るから、人類にとっての「地球」は生き甲斐と言える。
優れた者になれた場合は、地球で暮らせて、文字通り「褒美」を貰える世界。
(その地球が、実は「無い」などと…)
知れば、誰もが生き甲斐を失くす。
やる気を失い、人類軍から離脱するような者さえ、出かねない。
(…もっとも、軍にも、地球の真実を知る者はいるが…)
でなければ、視察に行くことも出来ん、と思いはしても、自信は無い。
「国家騎士団総司令」のキース、「彼」の船を地球へ運んだ者たちの「今」は、どうなのか。
(…記憶処理されて、違う行先へ飛んだ旅だと思っているか…)
あるいは「青い地球を見た」と、記憶を換えられているか。
どちらかだろう、という気がする。
キース直属のセルジュたちやら、側近のマツカは、「赤かった地球」を、今も覚えていても。
(…とはいえ、彼らの記憶も、それほどには…)
正しくないかもしれないな、と不安しか無い。
「キース」と「地球の話」が出来る程度に、必要な要素だけを残して、他は「無い」とか。
(…機械なら、出来る…)
彼らが動揺しないようにと、記憶を「少し」書き換えるだけのことなのだから。
機械が「どれほど」の能力を持って、どれほど「傲慢」か、それは充分、承知している。
(…私自身が、その産物で…)
無から生まれた生命だからな、と自嘲の笑みが込み上げてくる。
「キース」は、まさに「作られた」命。
人類と地球を導くためにと、機械が幾度も実験を重ね、生み出された「モノ」。
「キース」を作り上げたような「機械」は、どんなことでもするだろう。
地球で出会った、地球再生機構の者にしたって、現場を離れる時には、どうなるのか。
(どう考えてみても、記憶処理しか…)
有り得ないな、と断言出来る。
SD体制が始まって以来、一度も「真実」が漏れたことなどは「無い」。
「地球は赤い」と、噂が流れたことが無いなら、結論は一つ。
(……記憶処理……)
リボーンの者さえ、地球で「地球再生機構」の一員を務めてはいても、機械の信用はゼロ。
地球を離れる時が来る度、別の記憶を植え付けられる。
「地球の真実」を、ウッカリ話さないように。
誰かに何かを尋ねられても、「失言」をしたりしないように、と。
(…其処までして、隠し続けて来て…)
長い歳月を経たというのに、地球は未だに赤い星。
「キース」の命がある間などに、青い星に戻る筈も無い。
なのに、「キース」は、「導くしかない」。
「地球は青い」と思う者たち、彼らを遥か「未来」に向けて。
ミュウという脅威が出現した今、それが「出来る者」など、他には「誰一人、いない」。
機械が作った「キース」だけしか、その任を務められはしない。
「青い地球」など、幻想でも。
何処までも「真実」を隠し続けて、嘘をつき、騙すことになっても。
(…なんとも、皮肉で…)
酷い話だ、と零れ落ちるのは、溜息ばかり。
「なんと似合いの指導者だろう」と、「キース」の行き着く先を思って。
(今は軍人、国家騎士団総司令だが…)
グランド・マザーの思惑は、其処で終わりではない。
いずれ「キース」を、初の「軍人出身の元老」に選び、政治家の道を歩ませる。
パルテノン入りをさせた後には、ひたすら昇進させ続けるだけ。
(……二百年以上も、空席のままの……)
国家主席に就任すること、それがグランド・マザーの目的で、手段を選びはしない。
(私自身にも、暗殺の危機は多いわけだが…)
逆に「誰か」を暗殺してでも、「国家主席になる」しかないのが、「キース」の行く先。
でないと、人類を導くための「立場」に立てはしないから。
(…そうやって、国家主席になるまでは、いいが…)
傍目には「異例の昇進」で「出世」、セルジュたちは大喜びだろう。
マツカも、「おめでとうございます」と、穏やかな笑みを浮かべる筈だけれども…。
(人類の頂点に立った「キース」は、機械が作った命でしかなくて…)
天にも地にも、触れることなく「育て上げられた」わけなのだが…、と情けなくなる。
Eー1077に「空」は無かった。
水槽の中に「地面」は無くて、「大気」さえも満ちていなかった。
「機械が作った者でなければ」、誰でも、当たり前のように「知っている」のに。
(…どんな育英惑星だろうが、見上げれば、空で…)
足の下には「地面」、いわゆる「大地」が広がっている。
テラフォーミングされた星でも、空と大地と空気が無ければ、育英惑星に選ばれはしない。
(…人類の都合で作った星といえども、それなりに…)
神の創造物の「空」と「大地」と、「大気」が揃って「子供たち」を育ててゆく。
「いつか、地球まで行けるといいな」と、夢を抱いて育つ子たちを。
(それらの内の、何一つとして…)
知りもしないまま、「キース」は育った。
ご丁寧にも、Eー1077で「水槽から出た後」の教育期間までも、空は無かった。
(もちろん、大地もあるわけがなくて…)
空気さえも「人工的に作られ、循環していた」だけの世界が、Eー1077。
宇宙に浮かぶステーションでは、空も大地も、大気も「ありはしない」のだから。
(…神の創造物にさえ、触れずに育って…)
生まれも「無から生まれた者」な「キース」なのだし、ある意味、とても似合いだと言える。
「青くない地球」で、皆を欺き、導くなら。
機械が描くシナリオ通りに、この先も「生きてゆく」のなら。
(……赤い地球か……)
私には似合いで相応しいな、と思うけれども、何故か虚しい。
「このために、私を作ったのか」と。
嘘偽りで固められた世界、それを導く者になるには、「私しかいない」という現実。
それが本当に正しいかどうか、誰が答えを出すのだろう。
神なのか、あるいは「ミュウ」が出すのか、いつか答えが出る日まで…。
(…やってやるさ…)
他に道など無いのだしな、と「キース」は決意するしかない。
「こんな指導者でいいのだったら、やるより他に無いだろうが」と、溜息をついて…。
似合いの星・了
※キースの育ちだと、「外の世界」は知らないよね、と思った所から生まれたお話。
フィシスは子供の間に出されてますけど、キースは水槽から出ても「人工のステーション」。
極端に言えば、とシロエが夜の個室で、ふと考えたこと。
Eー1077に連れて来られて、早くも数ヶ月が過ぎてしまった。
その間、ずっと目指し続けて、今も目指している将来のために、訓練が続く。
(…メンバーズ・エリート…)
ほんの数人しか選出されない、それになれたら、未来は明るいものらしい。
腕次第で昇進して行ったならば、いずれは国家主席の地位に就くことも出来る。
(国家主席になれたら、ぼくがやるのは…)
SD体制を敷いた機械に「止まれ」と命じて、今の世界を変えること。
そうするんだ、と頑張る日々だけれども…。
(…メンバーズならではの、厳しい訓練内容は…)
格闘技や射撃、それに兵器の扱い方など。
今は宇宙空間でしている訓練にしても、基礎をマスターしさえしたなら…。
(…戦闘機のための訓練になって…)
敵機を撃墜する方法とか、爆撃を覚えることになるのだろう。
メンバーズになるなら、必須だけれども、その内容が問題だった。
どう考えても「殺し合い」のためでしかない。
遠い昔の時代はともかく、何故、今、殺し合いなのか。
(…SD体制の仕組みからして、昔みたいな悪者なんかは…)
いるわけがないと思うんだけど、とシロエは顎に手を当てた。
機械が治める、出産までもが管理された世界で「悪者」は生まれようがない。
ユニバーサルの教育を受けて育って、成人検査で記憶まで変える。
子供時代も機械の管理下、問題のある子は呼び出される。
(…ぼくは一度も、そういうのは…)
無かったけれども、呼ばれた子供は、お説教では済まなかっただろう。
恐らく、機械が関与した筈で、まずは監視で、矯正が難しそうな場合なら…。
(記憶処理とか、操作とか…)
上手い具合にやって手懐け、「いい子」に変えていたのだと思う。
大人になっても、機械は何処かで必ず見ていて、必要ならば手を下しそう。
Eー1077で、マザー・イライザがやっているように、呼び付けて、記憶処理をして。
考えるほどに、悪者が生まれない世界。
ピーターパンの時代みたいに、「どうしようもない悪」は、存在出来そうにない。
(…ピーターパンも、海賊をやっつけてたけど…)
ああいう類の「悪」は、きっと何処にもいないだろう。
それならば、どうして「殺し合い」の技を学ぶのか。
本物の悪がいない世界で、いつ、どうやって技を使うのか。
(……宇宙海賊に、反乱分子……)
それらが敵だ、と習うけれども、彼らを本当に「悪」と呼んでいいのか。
宇宙海賊になった者たちは、元は軍人やパイロットなどで、不満があって飛び出した者。
彼らが抱いた不満の根っこにあるものは、SD体制に違いない。
機械に従う上司に逆らい、組織を抜けて去った者たち。
(…自分の意志で生きてゆくために…)
海賊になるしか無かっただけで、「フック船長」とは全く異なる。
彼らにだって、他の生き方があれば、それを選択出来たろう。
機械の支配を免れる星で、のんびり農作業でもして。
(…移住には向かないような星でも、其処で自由に生きられるなら…)
酷寒だろうが、酷暑だろうが、喜んで移住しそうではある。
メンバーズに追われて殺されるような、宇宙海賊よりも遥かにマシなのだから。
(…反乱分子と呼ばれてるのも…)
機械の支配に逆らったからで、SD体制に異を唱えた者。
つまりは、宇宙海賊も、反乱分子も、シロエに、とても近しいと言える。
シロエ自身も、何処かで一つ道が変われば、そちらに転がってしまいそう。
「メンバーズになって、世界を変える」という、大きな目標が無かったならば。
(…ぼくが教わってることは…)
ぼくと考え方が近い人間を殺す方法なんだ、と気付かされると、溜息しか出ない。
それを覚えてゆくしかなくても、「自分と考えが似た人間」を殺して昇進するなんて、と。
(……仕方ないけど……)
国家主席になるためにはね、と分かってはいても、何処か釈然としない。
一時の迷いだと首を振ってみても、頭の中から消えてくれない。
眠れば、消えていそうとはいえ、眠りたい気もして来ない。
どうして、こんな道に来たのか、他に行く道は無かったのか、という気がして。
(…メンバーズになって、地球へ行くんだ、って…)
幼い頃から描いていた夢、その夢は正しかったのか。
世界を変える道に行くのは、本当に「幸せな道」と言っていいのか。
(…何も考えていなかったけれど…)
ただ、がむしゃらに進んだけれども、来た先は「殺し合い」を学ぶ道だった。
故郷の父がやっていたような、平和な研究などではなくて。
(パパみたいな道へ行こうだなんて、ただの一度も…)
考えたことは無かったわけで、目指そうと夢見たことさえも無い。
なにしろ、成績は抜群だったし、運動神経も群を抜いていたのだから。
(先生だって、メンバーズに選ばれそうだ、って…)
褒めてくれたのを覚えている。
友人の数こそ少なかったけれど、問題にされはしなかった。
メンバーズになれば守秘義務もあるし、適性の内だと判断していたのだろう。
自分で夢見て、周りも期待したのが「メンバーズ」の道で、今いる、Eー1077。
エリートを育てる最高学府なのだけれども、その正体は「殺し合い」を学ぶための場所。
故郷の父も、先生たちも、そうだと知っていたのかどうか。
(…多分、知らない…)
知っていたとしても、漠然とだけ、と確信に満ちた思いがある。
軍事訓練を受ける場所だ、と知っているだけで、結果が何に結び付くかは気付いていない。
シロエが「殺し合い」の場に出撃するとか、星を爆撃するとかなどには。
なんという道に来たのだろう、と頭を抱えてしまいたくなる。
「本当の悪」などいない時代に、機械に「悪」とされた人間だけを選んで殺すだなんて。
(…だけど、ぼくには、この道だけしか…)
見えていなくて、実際、其処を進んで来た。
成人検査で記憶を消されて、酷い屈辱を味わわされても、いつか機械に復讐は出来る。
そういう道に来られたわけだし、国家主席になれさえすれば。
(……そうなんだけれど……)
本当に「これ」しか無かったのかな、と首を捻る間に、不意に浮かんで来た思考。
頭脳はともかく、もしも身体が駄目だったなら、と。
(…うんと弱いとか、足に大きな怪我をしたとか…)
そういう子供は、どう頑張っても、Eー1077に来られはしない。
軍事訓練を受けるためには、頑丈な身体が必要なのだし、故障を抱えた身体でも無理。
かといって、成人検査にかこつけて「消してしまう」には、惜しい人材だったなら…。
(機械だったら、別の道を用意する筈だよね…)
父のような研究職に就くなら、虚弱でも、足が動かなくても、問題は無い。
頭脳さえあれば充分な職で、他はどうとでもなるのだから。
(…そっちの方なら、ぼくは今頃…)
研究者への道を進んで、平和に暮らしていただろう。
殺し合いなど学びはしないで、毎日、知識を増やし続けて、研究もして。
(……その道だったら……)
研究している内容次第で、父のような道もあったろう。
子供を育てるコースに入って、「いい父親」になってゆく道が。
(…お父さんになる道を行くなら、子供時代の記憶にしても…)
今ほど消されはしないのでは、と前から薄々、感じてはいる。
子供時代を忘れてしまえば、子供の心は理解出来ない。
「いい養父母」になれはしないし、恐らく、記憶は「多めに」残る。
人殺しを学ぶメンバーズよりも、人間らしく生きられるように。
(……そっちの道でも、良かったのかな……)
正解は分からないけれど、と自分を慰めてみても、今夜は少し気が重い。
もしも「弱い子」に生まれていたなら、違った未来があったんだろう、と思うから。
子供時代に足に大怪我をしても、違った道を歩めたから。
(…運がいいのか、悪かったのか…)
知っているのは神様だけだ、と溜息をついて、出来るのは祈ることしかない。
「この道で、間違っていませんように」と。
機械に「悪」とされた者たち、彼らを殺して昇進してゆくような道でも。
「シロエ」と考えが似ている人たち、彼らが流した血の上を踏んで歩む道でも…。
歩んでゆく道・了
※もしもシロエがメンバーズに不向きだったなら、と考えた所から出来たお話。
ミュウ因子の件はともかく、それが無ければ、メンバーズ以外のコースに行けたのかも…。
私には縁の無い場所だったな、とキースが心で呟いた地名。
それを地名と呼ぶかはともかく、場所の名前には違いない。
たとえ架空の場所であろうが、今は死の星になってしまった地球の上だと仮定されていようが。
けれど、懐かしい地名ではある。
その目で見たことは一度も無くても、まるで縁の無い場所であっても。
(……あらゆる意味で、私とは縁が無かったな……)
ただの一つも接点が無い、とキースは深い溜息を零す。
首都惑星ノアの、国家騎士団総司令の私室で、夜が更けた窓の外に目を遣って。
(…ピーターパンが飛んで来そうな空だ…)
此処が地球なら、と想像せずにはいられない。
もう側近のマツカも下がらせたから、何を思って夜空を見ようが、気付かれはしない。
こういった時に、ふと零れがちな「心の中身」を拾われもしない。
なんと言ってもマツカはミュウだし、いくらキースがガードしようと、完璧かどうか。
(日頃、あいつを便利に使っているからな…)
声に出さずに指示をするなど、よくある話。
むしろ、その方が多いとも言える。
ミュウという種族の特性からして、「一度、接触した相手」の思考は読みやすいと聞く。
キースの側から、一方的に命じるとはいえ、一方通行の思考だろうが…。
(接触には違いないのだし…)
現にマツカは、キースの思惑以上に、機敏に動く。
キースの心を読むまでもなく、意図することが「分かる」のだろう。
つまりそれだけ、マツカにとって、「キースの思考」は読み取りやすい。
正確に言えば、感じ取れるといったところか。
(……ピーターパンが飛んで来そうだ、などと考えていたならば……)
いったいマツカは、どう思うだろう。
熱でもあるかと心配するのか、違う方へと考えるのか。
(…どちらも、大いにありそうだ…)
マツカが「ネバーランド」を知っていたなら、きっと後者になるだろう。
とても意外だと驚きながらも、「キースも、読んでいたんですね」と、部屋に戻って微笑んで。
そう、マツカならば、知っているかもしれない。
ネバーランドが何処にあるかも、それが記された「ピーターパン」の本の中身も。
(…マツカが育った環境次第、ということになるか…)
養父母が本を買い与えたとか、友達に借りて読んだとか。
あるいは、本そのものに触れたことはなくても、内容を見聞きする可能性なら大いにある。
マツカは育英都市で育って、大勢の同級生や友達、上級生やら下級生とも交流があった。
(…いじめられやすいタイプの子ではあったのだろうが…)
引っ込み思案のマツカなのだし、そうしたことも無かったなどとは言い切れない。
いくら機械が管理していても、いじめられたり、泣かされたりといったトラブルは起きる。
もっとも、じきに機械が「それ」を察知し、教師たちが事態を収めに入る。
それで駄目なら、加害者の子は…。
(教育ステーションで言う、いわゆる「コール」というヤツで…)
ユニバーサル・コントロールの施設に呼ばれて、適切な「処置」を施される。
機械が心の中を読み取り、記憶処理やら、「より良い導き」をするという仕組み。
だから、大人の社会ほどには、マツカは「いじめられてはいなかった」だろう。
国家騎士団でされているような、「能無し野郎」と嘲り、軽んじられるような仕打ちは。
(…そこそこ平和な子供時代で、ピーターパンも読んでいて…)
マツカも、時には夜空を見上げて、ピーターパンの迎えを待っただろうか。
多分、シロエが「そうだった」ように、今か、今かと待ち焦がれて。
マツカも遠い日、故郷の星で、待ったかもしれない、ピーターパン。
「行きたいな」とネバーランドに憧れ、夢見たことも…。
(まるで無いとは言えないな…)
私の場合は、その機会さえも「無かった」のだが、とキースの思考が最初へと戻る。
本当に、もう文字通りに「機会」は無かった。
ピーターパンが迎えに来てくれる「子供時代」など、キースには「無かった」のだから。
(…私は機械に、水槽の中で育て上げられて…)
子供時代を「知らずに」過ごした。
キースを作る遺伝子データの「元になった」というミュウの女は、違ったのに。
(あの女は、まだ幼い内に…)
水槽から外の世界に出されて、教育された。
けれども、ミュウと判明したため、処分されると決まった所を、ソルジャー・ブルーが…。
(攫って行った、と記録が残っているからな…)
実験体を「幼い間に外に出す」のは、マイナスになる、と機械は考えた。
それ以降に「作られた」者たちは全て、水槽からは「出されていない」。
「キース」が外に出された頃より、もっと育った「サンプル」も、キースは知っている。
自分の生まれも、何もかも「今」は承知だけれども、まだ、それを知らなかった頃。
(シロエが告げた、フロア001には、とうとう辿り着けないままで…)
Eー1077を卒業し、後にして来た「キース」は、ごくごく「普通」に過ごしていた。
メンバーズ・エリートのコース通りに軍人になって、新人を指導する教官もやった。
自分が「何か」を知らないのだから、気楽だったと言えるだろう。
人類の未来を憂えるにしても、他の仲間たちと同列なのだし、特段、頭を悩ませはしない。
そんな日の中、手に取ったのが「ピーターパン」の本だった。
(…Eー1077を出てから、そうは経たない頃の話で…)
配属された先の軍での、初めての休暇だっただろうか。
街に出た時、入った書店で、そのタイトルを偶然、目にした。
(…シロエが持っていた本とは違って、装丁は大人向けだったが…)
コレだ、と何処かで声がしたから、買って帰った。
シロエを個室に匿った日に、パラパラと本を捲っていたから、じっくりと読んでみたかった。
何処がシロエを惹き付けたのか、その辺りを知りたかったから。
(…シロエの本を読んだ時には、SD体制には似合わない本だ、と…)
思った自分を覚えている。
ピーターパンは「大人にならない」子供で、SD体制の根幹とは逆と言えるだろう。
SD体制の時代においては、「大人になるのを拒否する」ことは、体制批判とされるから。
それなのに、何故、今の時代も「ピーターパン」の本があるのか。
不思議でたまらなかったけれども、蔵書になった本を読み返す内に、少し分かった。
体制批判な部分はあっても、全体としては、とても夢のある物語。
育英都市で情操教育に用いるのならば、役に立つ面も多そうだ。
(なるほどな、と納得したら…)
ネバーランドという夢の国もまた、子供たちの心を育てそうではある。
「いつか行きたいな」と夢を見るのは、悪いこととは言い切れない。
そうした「夢」は力になるから、成長のためのエネルギーになる。
(…あくまで適度に用いれば、だがな…)
それが過ぎると「シロエ」のようになるわけだ、と苦笑する。
シロエが「そうなってしまった」理由の全てが、「ピーターパン」の本ではないだろうけれど。
(…しかし、シロエは…)
Eー1077から逃亡した時、何処を目指して飛んでいたのか。
誰もが夢見る地球か、それともネバーランドか。
永遠の謎になってしまったけれども、きっと、シロエは…。
(…ネバーランドに迎え入れられて、機械の支配から自由になって…)
大空を飛んでいるのだろう。
ピーターパンやティンカーベルと並んで、何処までも、ずっと。
夜空に「ピーターパンが飛んでいそう」な時には、シロエの姿も見える気がする。
子供時代のシロエは知らないけれども、幼い姿で飛んでいるのか、育った姿のままなのか。
(…シロエなら、ステーション時代の姿でも…)
ネバーランドの住人になって、広い空を飛んでゆけそうに思う。
「キース」と違って、幼い頃から、ピーターパンの世界に触れていたから。
迎えが来そうな子供時代を、育英都市で過ごしたから。
(…水槽の中で育ったのでは…)
ピーターパンなど来るわけもなくて、「ピーターパンの本」の知識も得なかった。
機械が「不要」と判断したのか、タイトルさえも「習ってはいない」。
(その上、シロエが持っていた本を目にしても…)
知らない本だ、と思っただけで、「何故、知らないのか」も深く考えはしなかった。
「故郷の記憶も、養父母のことも、すっかり忘れてしまったからな」と片付けた。
まさか、それらが「無かった」などとは、夢にも思わないままで。
(…子供向けの本のようだし、覚えていないのも当然だ、と…)
自分で勝手に答えを出して、遥か後まで「知らないまま」。
シロエが命懸けで暴いた「キースの生まれ」も、フロア001でシロエが見て来たモノも。
(…そんな私が、軽い気持ちで買って来た本…)
ピーターパンの本は「大人向け」だったのに、「本物」が目の前に現れた。
シロエが最後まで持っていた本、あちこち焼け焦げた「子供向け」の表紙の本が。
(…あの本をシロエに返しに行った日、フロア001を初めて見たというのがな…)
何も知らずに生きていたとは、と情けないけれど、仕方ない。
機械が「そのように」仕組んだのなら、そのようにしか「生きてゆけない」。
(……ピーターパンの迎えも来ない育ちで、これから先も……)
ネバーランドとは無縁のようだ、と苦い笑いを浮かべながらも、窓を見ずにはいられない。
「ピーターパンが飛んで来そうな空だ」と、其処に「飛んでゆくシロエ」を探して。
「今は自由に飛んでいるな」と、呼び掛けたくて。
シロエなら、きっと、ネバーランドへも、青い地球へも行っただろう。
今は何処にも「無い筈」の星、母なる水の星の澄んだ空へも、ピーターパンと、きっと…。
縁の無い場所・了
※いい子の所には、ピーターパンが迎えに来るわけですけど、子供時代が無いのがキース。
「ネバーランドとも、無縁だよね」と思った所から生まれたお話。